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座間 人物風土記

公開日:2019.06.14

「座間の森育てる会」の6代目会長を務める
荒川 幾夫さん
立野台在住 79歳

「花はうそつかない」

 ○…毎年、この時季に、雅やかな花を咲かせ、人々の目を楽しませている立野台公園のハナショウブ。30年程前に「座間の森 育てる会」に入会して以来、「かながわの花の名所100選」にも選ばれた立野台公園の「菖蒲の里」を妻と会のメンバーとともに守り続けている。「今年は特にきれいだよ」。我が子のように大事に育てた花を前に、目を細める。

 ○…2代目の会長に誘われて、先に入会した妻を追いかけるように入会。会長を引き継いだのは、8年前。以来、月に1回の会としての活動とは別に、週に3回は公園に足を運び、草取りに勤しむ。「人間と草の戦いだね」。見頃を迎える今の時季は、毎朝公園に赴き、草取りだけでなく、咲き終わってしおれた花を摘む「花がら摘み」も行う。「人は花だけを見る訳ではないから。人が見に来る前にやらないと」。花をより楽しんでもらうため、花をきれいに咲かせることはもちろん、その周りにも気を配り、魅せることに余念がない。

 ○…自宅の庭にも色とりどりのハナショウブを咲かせる。その数、100鉢。その一部は、座間市役所内を彩り、庁内の風物詩となっている。

 自宅で育てる花の苗は毎年、妻とともに買いに行く。少しだけふんぱつして購入した花に限って、咲かないことがある。「“咲かないね”なんて言って、公園に持って行くときれいな花を咲かせるんだよね」と笑う。

 ○…「一生懸命やればやるだけきれいに咲く」。花を見に来る人に「今年もきれいだね」、そんな風に言われると「その気になっちゃう」。最も大きな花を咲かせると言われる一番花は、3日しかもたない。そのはかない命を輝かせるため、手をぬくことはない。「好きだからかな」。今日も颯爽と菖蒲の里に向かう。

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