おしゃべりカフェ美豚を運営する 平野 由喜子さん 相模が丘在住 84歳
一緒に笑って楽しんで
○…2人の仲間とともに3年前に座間市で初となる認知症カフェをオープン。今では、認知症の人だけでなく、一人暮らしや夫婦二人暮らしの高齢者がふらっと立ち寄れる地域の拠り所に。「夕方散歩がてら寄ってくれた人としゃべっていて気付いたら夜になっていたこともあったわね」。その明るく気さくな人柄を慕って訪れる人も多い。
○…結婚後、しばらくは専業主婦をしていたが、子どもが小学校に入ったのを機に、呉服店や介護ヘルパーを経て、前身となるカフェを開いた。お店と共にお客も年を重ね、2階の店舗に足を運ぶのが難しくなったり、1人では来られなくなったりしたのを目の当たりにし、「何かできることはないか」と思案。地域の高齢者向けにカフェを開放しようと地域包括支援センターに相談するなどして「認知症カフェ」という形にすることにした。
○…「それとなくお誘いして」。認知症カフェとしては毎週木曜日の午後1時から、おしゃべりやおりがみ、習字などをして楽しいひと時を過ごす。現在、実際に認知症の人が来ることは少ないが、「ここに来ないと一日中声を出すことがない」という一人暮らしの高齢者の出かけ先や老々介護の合間の一息がつける場所など、様々な事情を抱える高齢者の居場所として、カフェが地域で担う役割は年々大きくなっている。「私たちもここでいっぱいしゃべって笑って楽しんでいるわね」。茶目っ気たっぷりに笑う。
○…店内には得意の手芸で作った人形や飾りのほか、手製の洋服や帽子が並ぶ。「チョッピリ先生」として若いお母さんたちにお裁縫を教えることや、ご近所さんに子どもが幼稚園や小学校にあがる時の手提げや巾着なんかを「予約しとく」と言われることも。「長生きしなくちゃね」
|
|
|
|
|
|
2015年4月10日号