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公開日:2014.03.07
青い春を三十一字で
卒業記念の『森中万葉集』
卒業シーズンの定番と言えば思い出や将来の夢を書きつづった文集。しかし、森の里中学校(西山幸太郎校長)では一風変わった「卒業歌集」を制作している。学校生活や日々の出来事を短歌にした、その名も『森中万葉集』。
同校では国語教諭の齊藤玲子さん(39)が中心となり、短歌制作に力を入れている。毎月の課題や定期試験にも取り入れ、過去には新聞社主催のコンクールに7人が入選したこともある。
短歌制作を始めたきっかけは、齊藤教諭が「長文読解が苦手な子を何とかしたかった。短歌なら気軽に続けられる」と思ったこと。厚木市の「元気アップスクール推進事業」の補助を受け、2年前から卒業歌集として中学生活で作った短歌をまとめている。
今年度の歌集は「通信簿見せられ脳にイナズマがビビリと走り俺だけ嘆く」「グラウンド後輩達の声響くなんだか妙に練習したい」など3年生86人が1年次から書き溜めた歌を齊藤教諭が厳選。170ページ近い大作となった。
同校3年の高木駿さんは「自分の気持ちが五七五七七にはまると気持ちいい」と話す。安藤真由子さん(同)は「受験で不安なときに短歌で気持ちを表現したこともあった」と振り返る。
「生徒たちがこんなに清らかな心を持っていると知るきっかけにもなりました」と齊藤教諭。歌集の最後には「卒業のうた」と題したページがある。ここには生徒が親への感謝の歌を自筆し、13日の卒業式当日に保護者へ渡される。31文字の手紙の中身は、卒業式当日までの秘密だ。
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