依知地区で生まれた白首ダイコン「湘白」が、初めて厚木市内で収穫された。ブランドを作ったのは山際の生産者で育種家の野路稔さん(58)ら。地元産のダイコンを知ってもらおうと生産者らがPRに力を入れている。
湘白は、特色あるダイコンの新品種を作ろうと、2003年から県農業技術センター、横浜植木(株)、野路さんの3者が合同で開発に取り組んだ。肉質柔軟なダイコンの品種「大蔵」と野路さんの父が育成した「晩野路(おくのじ)」を交配。これを花粉親として横浜植木(株)が所持する系統と交配して湘白が誕生し、15年に農林水産省の品種登録を受けた。
湘白は先端から首部まで直径の太さが変わらない真っ直ぐな総太り形状で、根の全体が白い白首ダイコン。大根おろしやなますなど、色味が重視される料理に適しているという。JAあつぎ依知支所の正見直揮さんによると、湘白は肉質もしっかりとしていて煮崩れしにくいため煮物やサラダでもおいしく食べられるのが特徴だ。
あす、夢未市で対面販売も
市内での湘白の栽培は今年9月、依知地区発のダイコンとして地元産野菜をPRしようと、JAあつぎが依知地区の生産者らに栽培を呼びかけ、始まった。
現在市内で湘白を栽培しているのは2人。今年は約2500本を収穫した。生産者の一人、宇都龍太さん(23)は、中依知の畑で約1千本を栽培。9月下旬に播種をしてから11月末に収穫した。「育成スピードが速く、栽培方法は他のダイコンと変わらない。甘くて食べやすい」と手ごたえ十分。
あす17日(土)にはJAあつぎ農産物直売所「夢未市」で生産者が湘白をPRする対面販売を実施。煮ダイコンなど試食も多数用意している。正見さんは「いずれはかながわブランドの認定を受けて、販路を拡大させていきたい」と話している。
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