▽江戸時代から続いてきた銭湯の「三助」。 “最後の三助”といわれた東京・東日暮里の『斉藤湯』の故橘秀雪氏(2013年12月末引退)から生前直接指導を受け、勤務する東名厚木健康センターで週3・4日、時間制で三助サービスを実施。伝統をつなぐ。
▽「何か他ではやっていないサービスをやりたい」。思いついたのが「三助」だった。「三助」とは、入浴する人の背中を流したり、マッサージをするサービス。昔から男湯女湯問わず重宝されてきた銭湯には欠かせない存在だった。しかし銭湯の減少とともに減り、最後は橘さんのみに。
▽09年10月、早速当時マネジャーだった自身ほか役職者の3人で斉藤湯へ。橘氏に実際にサービスを受けると同時に指導を受け、東名厚木健康センターで取り入れた。「橘さんのサービスはとにかく力が強くてグイグイ来るんです。けどそれが痛くない。すごく驚きました。そこが長年培った技術なんでしょうね」
▽同センター内にはリラクゼーション施設も併設。現在はそこのスタッフとも協力し、マッサージにオリジナル性も加えるなどしてサービス提供している。「お客さんは背中にタオルを回して横に擦ることはできますが、自分で縦に擦ることはできません。ですから縦を意識しています。それが結構気持ちいいんですよ」。橘さん直伝の技術ににんまり。現在はさらに伝授したスタッフを含め男女3人ずつがシフトで対応している。
▽「三助指導を受けたおかげで、我々管理職が直接お客様と触れる機会ができました。それを楽しみに来てくださる常連の方も多く、コミュニケーションも取れますし、情報交換もでき非常に意味のあるサービスになっています。橘さんには感謝しています。これからもお客様に喜ばれるサービスを心掛けていきます」
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