Tobioギャラリーで水墨画展を開催中の 松尾 好高さん 厚木市鳶尾在住 84歳
墨に魅了されて
○…厚木市の鳶尾団地内にあるTobioギャラリーで9月26日(土)まで水墨画展を開催している。8月に同ギャラリーで開催中だった同じく鳶尾在住の三上隆達氏の絵画展に訪れ、同施設から展示を勧められた。しかし比較的大きいサイズの作品が多く会場の広さ的に一考。「やりたい」という気持ちが勝り、手ごろなサイズの作品をチョイス。中には現代日墨展の準大賞受賞作も含まれている。「墨色の美しさを観てほしい」と力がこもる。
○…もともと左利きだったが、4歳の春から当時「軍人になるために必要」と右利きに矯正するために母親に書道塾に通わされたという。しかし墨を擦るのもままならずしばらくして通うのが嫌になり、公園でサボりばれないように手などに墨を付けていったが、「結局バレてこっぴどくしかられたよ」と笑う。それでも「墨の香りが忘れられなくて結局この道に進んだ。今思えばきっかけを与えてくれた母親に感謝だね」。
○…台湾で生まれ、戦後引揚げで親戚のいた佐賀県に。大学進学で上京し、NECに就職。その後、子会社への異動などを経て45歳で工場長に抜擢された。「若造とバカにされないように10歳サバを読んでいて、定年の時に告白した」と得意げな表情。環境がいいと55年以上前に厚木に移り住み、ともに高校教師になった二人の娘を育て上げ、今は夫人と暮らす。
○…現在は作品に魅了された根岸嘉一郎氏に師事。精進する一方、相模原市を拠点に墨彰会を主宰。また、鳶尾小放課後水墨画教室の講師も務める。「展示する場所なども確保して子どもたちを育てていきたい」と話す。また、85歳になる来年、個展を開きたいという。「残った人生を墨の美しさにかけてみよう」
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