神奈川県農業経営士会の会長に就任した 石田 栄男（しげお）さん 上谷在住 64歳
○…県の農業経営士会の会長に伊勢原市から初めて就任した。「携わる部門や地域性によって課題も違い、まとめるのは難しい。皆に協力してもらいながら農業の発展のために努めたい」と抱負を語る。農業経営士とは、近代的な感覚で農業を行い、新しい有能な農業後継者の指導や援助ができる農業者。知事が認定し、現在90人ほどが在籍。就農希望者や新規参入者などに対し、後継者指導などの役割を担う。
○…伊勢原出身。市内上谷の石田牧場の会長。母親の実家が酪農業だったことから酪農を手伝い、中学の頃から酪農家を夢見た。「皆が楽しそうに仕事をしている姿に憧れた。小さい頃から動物が好きでした」。16歳の時、父が水稲から酪農へ転換。農業高校を卒業後、北海道で２年、アメリカで１年間修業を積み帰国して、21歳で父を手伝った。当時、友人や先輩が助けてくれた。「おかげで今がある。その恩返しとして農業の後継者を育てたいと思った」。農業経営士に認定されて30年。今も学生アルバイトを受け入れ、後継者を指導している。「酪農は新たな発見があり、毎日感動できて楽しい」と愛おしそうに牛に草を与える。８年前に代表を息子に譲り、現在はサポート役に徹する。
○…機械いじりが趣味。１３００ｃｃのバイクの整備や、メンテナンスが気分転換になるという。「最近野菜作りを始めた。草刈りが一苦労で、形が揃った野菜作りがいかに大変かわかった。酪農しか知らなかったから、楽しいです」。
○…同会は来年設立50周年。「最近はＵターンして農業に携わる人や、ＩＴを活用するなど前向きな人が多い。優秀な後継者を育て、会長として県の農業の発展につなげていきたい」と力強く語った。
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