1月25日から市役所で写真展を開く綾瀬写真協会の会長を務める 伊藤 和徳さん 深谷上在住 70歳
一瞬の表情を永遠に
○…同じ場所の同じ時間にシャッターを切ったとしても、切り取る範囲、ぼかし、明るさなど、撮影者によってたくさんの味がでる写真。その表現や魅力の虜となった個性豊かなメンバーが集まって「綾瀬写真協会」は2011年に設立された。個々の活動拡大や地域貢献を目的とし、地域のイベントや市民活動団体の記録としてのサポート、観光事業への貢献など積極的に活動している。
○…20代の頃、友人に一眼レフを借りたことを機にカメラに夢中になった。流れゆく時を切り取り、形に残す写真が何とも良かった。以来今日まで、寒い日も暑い日も、その一瞬を待ち、カメラを構える。祭や絶景の情報を聞けば、都内や地方でもフットワーク軽く出て労力を厭わない。陽の射す角度や背景などを判断し、ベストアングルを見つけられるのも長年の経験による賜物だ。何度もシャッターを切ってきたが、特に好きなのは人を撮る時。「人の顔、特に目には、いろんな感情が見える」。撮影した一人ひとりを思い浮かべ、目を細めた。
○…都内でホテルマンとして活躍した社会人時代。衣食住あり、国際的で、人や新しいものが集まることに強い憧れを抱き、念願叶え職に就いた。写真の趣味が派生して、当初はプロに依頼していたラウンジなどで使用するメニュー写真などを手掛けるように。定年退職を迎えるまで、30年以上、料理や人を撮り続けた。
○…「刻々と変化していく、もっと撮っておけばよかった」。綾瀬の街並みを見て声を漏らした。「時間をかけて追いかけるのは素敵だよ」。知人の1人を主役にして、その人が独身から結婚し、家族ができていくまでの姿を撮り続けている。街並みも同じで、今当たり前にあるものが何十年と経てばとても尊いものになる。大切な人、景色、想い、それを残していくことで「地域へ、人へ、貢献したい」。協会の会則を手に確かめるように話した。