神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
横須賀版 公開:2012年9月14日 エリアトップへ

地元で4年ぶりの作品展が開催中(ハウスプラザ按針2階で今月15日まで)の画家 木村 利三郎さん 逸見出身 87歳

公開:2012年9月14日

  • LINE
  • hatena

人生、百年じゃ足りない

 ○…都市の崩壊と再生、そして宇宙−。画家、木村利三郎の世界観に引き込まれる。母親に「絵はヤクザが描くもの」と言われて育った少年が、30を過ぎてから本格的に美術の道を志し、単身ニューヨークに渡った。それから約50年。世界各地で個展を開き評価を得ながらも、故郷への想いは特別だ。今回、地元逸見で4年ぶりの個展。「人の温かさが懐かしいですね」。そう語る眼差しもまた温かい。


 ○…戦後、逗子に構えたアトリエで米兵に版画を教えながら、話に出てくるニューヨークに憧れを抱いていた。背中を押したのは、美術評論家をめざしていた法政大学在学中に、教授から言われた一言だった。「お前は絵描きになれる可能性がある。だから本物を見て来い」。5万円を手渡されたがそれでは足りないため、アトリエを売り払った。1964年。日本中が歓喜に沸く東京オリンピックを見ることなく飛び立った。


 ○…人の真似をするのは駄目。芸術家が集うアパート、通称クレイジーハウスで描き続ける日々が続いた。数年後、画商の目に留まり契約を結ぶようになる。マンハッタンのビル群と対峙しながら版画、油絵、水彩など多彩に制作。忘れられないのが2001年9月11日。数キロ先にあったツインタワーが一瞬で消えた。自身のテーマである都市の崩壊が目の前で現実のものとなった。そして再生。やがて都市は天高く伸び上がり、宇宙へと向かう。


 ○…現地で永住権を取得し、ひとり創作活動を続ける。目を向けるのは宇宙空間。そこに生物はいるのか。地球がその生物に攻められた時、人類はひとつになれるのか。SF小説のような壮大な世界観を油絵で表現する。今年は米寿。「いい人生でしたよ。絵描きじゃなければもっと早く死んでいたでしょう。でも、人生は100年じゃ足りないですね」。もっと先のことを知りたい。未知のものを描きたい。その想いが、今もキャンバスの前で筆を握らせる。

本まぐろ直売所

4/26~5/6は休まず営業、毎月第2・4土日は特売日!

https://www.yokosuka-honmaguro.com/

<PR>

横須賀版の人物風土記最新6

鶴 ジュンさん

長井の活性化イベント「浜と丘とマーケット」を主催する

鶴 ジュンさん

長井在住 54歳

4月26日

三木 真理子さん

「関根川〜相模湾海中 水の輪つなぎ活動:chotto」の代表を務める

三木 真理子さん

秋谷在住 

4月19日

今野 睦夫さん

横須賀市ラジオ体操連盟を設立し、会長に就任した

今野 睦夫さん

二葉在住 82歳

4月12日

美里 芽玖(みさと めぐ)さん

ピアニストとして地元で初のソロリサイタルを開く

美里 芽玖(みさと めぐ)さん

平成町在住 22歳

4月5日

佐久間 大輔さん

大阪市立自然史博物館の学芸員を務める

佐久間 大輔さん

三春町出身 56歳

3月29日

新谷 健(たけし)さん

娯楽劇を演じる市民劇団「浜の隠居の会ぷらす」の代表を務める

新谷 健(たけし)さん

鴨居在住 68歳

3月22日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月26日0:00更新

  • 4月19日0:00更新

  • 4月12日0:00更新

横須賀版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

横須賀版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月29日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook