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横須賀・三浦 人物風土記

公開日:2026.02.20

刺繍とスカジャンの専門店「ドブ板コーバスタジオ」代表で、都内で作品展を開いた
山上 大輔さん
横須賀市在住 35歳

  • 山上 大輔さん (写真1)

伝統と革新の糸、後世に紡ぐ

 ○…横振りミシンが刻む軽快なリズムに乗せ、色鮮やかな糸が生地に命を吹き込んでいく。東京都・代官山で開いた展示会に、自身と、スタジオで腕を磨く練習生9人の作品を出展。「スカジャンを単なるお土産ではなく、アートや文化として改めて評価してもらえるきっかけになったと思う」。確かな手応えを感じている。

 ○…10年前に横須賀へ移り住んだ。運命を変えたのは、ドブ板通りの刺繍職人・松坂良一氏が手掛けた一枚の「虎」との出合い。「その圧力に魅了された」。すぐさまミシンを購入したが知識もなければ技術もない。ならばと刺繍の本場・群馬県桐生市へ飛び、3年間の修行に身を捧げた。師匠の背中から”盗んだ”のは徹底した観察の姿勢。「草花一つとっても、細部まで見極めなければ本物の表現はできない」。培った観察眼が、精緻な表現を支える背骨となっている。

 ○…4年前には自身のスタジオを構え、刺繍文化の継承や発信に奔走する日々を送る。現在は後進育成にも力を注ぐ。練習生を迎え入れ、持てる技術を余すことなく伝えている。「まずは間口を広げることから」。第2期の練習生の募集も始めた。

 ○…道具を作る職人やミシンの生産台数減少-。スカジャンに紐づく刺繍文化を取り巻く環境は刻一刻と厳しさを増す。だが、「刺繍職人が増えれば往時の空気を呼び戻すことができる」と、再興のための仲間づくりを進める。現在、夢想しているのは、「スカジャン博物館」の設立。生み出された名品のアーカイブのみならず、歴史なども学べる場だ。「刺繍やスカジャンの文化が横須賀に残り続ける仕組みを作りたい」。ドブ板の伝統を力強く縫い上げていく。

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