神奈川県内に拠点を持つ企業等で女性が開発に貢献した商品(モノ・サービス)の中から、優れた商品を県が認定する「なでしこブランド」。今年度は応募総数37件のうち、12件(事業)が選ばれ、市内からは株式会社富士防(森崎)の「住民さま目線の『なでしこ』現場環境パトロール」が認定を受けた。
独自シートを発案
横須賀市内から関東一円でマンション等の大規模修繕を専門とする同社。経年劣化による外壁や屋根・屋上等の修繕を手掛けている。住民が居住している状態で進めるため、安全や環境への配慮が不可欠だという。工事を行う日中、在宅の居住者は女性や子どものいる家庭が多く、片や作業するのは男性の職人。居住者の目線に立って衛生面やプライバシーなどの気配りなどができているか―。女性社員から「現場を見てみたい」という声があったことを受け、約1年半前に「現場環境パトロール」が発足した。
総務課に所属する山下まどかさんは、「入社してすぐの研修で工事現場に赴いたが、掃除や整頓が気になっていた」と話す。プロジェクトではまず、現地の事務所や作業箇所、仮設トイレなどの整理状況、清掃、ごみの分別、現場作業員の身だしなみ・挨拶―などが行き届いているかを確認し点数化する「チェックシート」を作成。その内容は44項目にも及ぶ。所属部署を問わず全ての女性社員が現場の巡回を担当し、シートに沿って不備のある部分は是正を促す。住民の声を反映し、バルコニーで洗濯干しが可能な日を掲示するなどの取り組みも始めた。
活躍の場広げる
入社2年目の石橋都さんは「住民目線を現場に繋げるという意識に変わった」と話す。同社の女性社員の割合は全社員154人中43人と同業他社の中でも高い割合。「働き方」という視点でも好影響が生まれており、中には「技術関係の資格を取得して仕事に活かしたい」と意欲を見せる人もいるという。
経営企画部長の吉野哲さんは「工事の技術などハードを柱に、女性社員の取り組みが安全意識の向上やおもてなしの視点という”ソフト”の部分を担ってくれている。能力の可能性を活かして今後も活躍してほしい」と話した。
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