岩戸中特別支援学級の卒業生でつくる「そよかぜバンド」を立ち上げた 中川 茂さん 三春町在住 64歳
成長に立ち会う喜び
○…知的障害の若者でつくる「そよかぜバンド」。2008年に立ち上げ、今年で11年目を迎える。ライブは毎回、観客を巻き込んでの大盛り上がり。サポートメンバーとして演奏にも参加しているが「自分自身も彼らに楽しませてもらっている」と笑みをこぼす。
○…結成のきっかけは当時担任していた特別支援学級での音楽の授業。最初は手を叩いてリズムをとるところからスタートし、ドラムやマリンバといった打楽器を演奏するように。「せっかくなら演奏をみてもらおう」と合唱コンクールで披露したところ、予想以上の好評。「そこでバンドの楽しさを知ってしまったのかも」―それ以来活動の場を拡大していった。「動く力がないのなら、だれかと手を繋げばいい」との歌詞が印象的な「今、動き出せ」など、全4曲あるオリジナルソングは全てメンバーの保護者が作詞作曲したもの。年に3、4回のライブをこなしている。
○…彼らの成長に日々驚かされている。ライブに関して「この曲ならどの世代でも楽しめそう」「聞いている人も参加できるように」などと、自分たちで曲選びや演出に工夫を凝らす。また、練習や本番中、うまくいかない仲間に声を掛けることも多くなった。回を重ねるごとに”生徒”たちの成長を実感。そんな姿を間近で見ることが、何よりの楽しみだ。「どんな演出になるのか、私も当日のお楽しみ」
○…現在、教職から離れ農業を通した就労支援施設で管理責任者を務める。人手不足が深刻化している農業と、就労を目指す障害のある人を結びつけたい、との思いからバンドメンバーの保護者らと今年4月に立ち上げたばかり。2つに共通するのは「成長の場」であるということ。こちらは今、動き出したばかりだ。
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