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横須賀・三浦 人物風土記

公開日:2025.12.12

バイオリニストとしてヨコスカ・ベイサイド・ポケットで初のリサイタルを行った
栗原 壱成さん
横須賀市出身 29歳

横須賀の記憶音色に乗せ

 ○…幼少の頃、クラシック音楽が好きな両親に連れられて何度も足を運んだ馴染みのホールに立った。「どこか現実の話と思えなかった」という初の凱旋リサイタル。故郷で演奏した実感がわいたのは、万雷の拍手に地元ならではの温もりを感じた瞬間だった。横須賀で過ごしたのは中学卒業まで。「随分と時間を経て、新しいページにかけがえのない体験が追加された気がする」

 ○…バイオリンを弾き始めたのは3歳の頃。小学2年生の時に初めてコンクールで優勝したことを皮切りに順風満帆な道を歩み、名門・東京芸大付属高校へ進学した。だが、全国から集う才能の渦で挫折。校内試験で最下位になり、「ショックで楽器を校内の草むらに捨てたこともある」。しかし、恩師の励ましで没頭した基礎練習が功を奏し、東京芸術大学は首席で卒業を果たした。

 ○…武山小に通っていた頃、毎日暗くなるまで虫取りや魚釣りに夢中だった。あれから約20年、今や耳の肥えた観客が待つヨーロッパのコンサートホールにも立つ。自然をテーマにした楽曲を弾く時に脳裏に浮かぶのは、あの頃感じた草の匂いや潮の香りだ。音楽家にとって正確な演奏よりも重要なのは、心揺さぶる表現力や研ぎ澄まされた感性。「その資質が育まれた場所は横須賀」と断言する。

 ○…バイオリンは、もはや単なる楽器ではない。弾かない時も肌身離さず持ち歩き、「そばになければ落ち着かないパートナー」だ。寝室でも常に傍らに置くが、「急に本番を迎える悪夢にうなされることが多い」と苦笑。そんなパートナーと成し遂げたい生涯の目標はただ一つ。「その音を聴くだけで『栗原壱成』だと分かるような」唯一無二の音を創り上げることだ。

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