東京湾に浮かぶ無人島・猿島を環境学習の拠点として機能させるプロジェクトが走り出した。猿島航路を運航する(株)トライアングルが今月21日、アルミ缶でリサイクルした電気推進船の建造や島内で使うエネルギーを再生可能エネルギー100%にしていくなどの構想を発表。趣旨に賛同する民間企業と連携し、環境の最先端の取り組みを体験できるプログラムをつくり出す。年間20万人超の来島者が訪れる観光スポットにあたらしい価値を加えることで、修学旅行や遠足、校外学習といった教育旅行の誘致拡大につなげる。
猿島の良好な自然と戦跡などの文化財を永続的に保護しながら、集客を伸ばしていく観光と環境を両立させる未来志向の取り組み。「つづく みんなの猿島プロジェクト」と題し、来島者が参加体験できる種々の企画を打ち出していく。
京浜急行電鉄、旅行会社のJTB、警備会社のアルソック、地元信用金庫、三浦学苑高校ほか民間12社で展開。旅行会社が開発した教育旅行の体験プログラムに高校生の意見を反映するだけでなく、高校生発案のアイデアも商品化していく。風力発電や潮力発電、海水を淡水化する民間企業の実証実験なども投資とともに呼び込む狙いだ。横須賀市はオブザーバーとして参加する。
「猿島版SDGs」発表
環境と観光が好循環する「猿島モデル」を確立するために、国連で定められた持続可能な開発目標(SDGs)を、猿島での取り組みに落とし込んだ独自の行動指針「猿島版SDGs」も発表。2030年に実現したい島の像と実現に向けたプロジェクト案を書き連ねた。楽しみながらゴミの分別や資源化を行うエコステーションの整備やジェンダーレストイレの設置、島内で提供する食材の100%地産地消などがある。
記者会見で挨拶したトライアングル代表取締役の鈴木隆裕氏は「魅力的な猿島であり続けるために、みんなでつくっていきたい。2030年に向けて本気で取り組む」と強い決意を示した。
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