でこぼこ道の子育て記 23.デイサービスに通うも…一般社団法人sukasuka-ippo代表理事 五本木愛
―現在の連載は10年ほど前、子どもたちがまだ小さい頃、介護をしていたときの経験を書いたものです―
義父担当のケアマネージャーが決まり、いよいよデイサービスの利用を始めようかという時。通えそうな場所を探し、一緒に見学に行きました。ただ、この時義父はまだ62歳。病気自体の進行はあるものの、物事への理解もあり「なぜ自分がデイサービスに行くんだ?」と納得がいかない様子でした。その頃、主治医やケアマネージャーから口を揃えて言われていたのは、介護を続けていくために「頑張り過ぎてはダメ」ということ。私自身のために、何より義父のためになるなら―と、まず週1回からの利用に。初日、迎えの車が来ると義父は不機嫌そうに、促されるまま車へ。帰ってくると、ニコリともせず「あそこには、もう行かない」と。
ケアマネージャーから「男性は慣れるまでに時間がかかるので、本人のためにも心を鬼にして行かせて」と言われ、心苦しい気持ちを抱えながらも何とか説得し、再び送り出しました。帰宅後、元気もなく溜息ばかり。翌日から1日の大半を寝て過ごすようになり、時々思い出したように「もう、あそこは行かなくていいんだろ?」と。その度に「病気の進行を遅らせるためだから頑張ろう!」というやり取り。次第に「これは無理に行かせている私のせい」―? そんな風に思えてきて、涙がこぼれました。このままでは義父も私も潰れてしまう。悩んだ末、そのデイサービスをやめることにしました。焦らず、義父に合う場所を探そう。しかし、それは本当に長い道のりでした。 -次回に続く
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