でこぼこ道の子育て記 28.施設入所後、進む症状一般社団法人sukasuka-ippo代表理事 五本木愛
―現在の連載は10年ほど前、子どもたちがまだ小さい頃、介護をしていたときの経験を書いたものです―
義父のアルツハイマー発症から4年半。在宅介護から施設入所へと切り替えることを決めたものの、問題は入れるところがあるか?ということ。現実は厳しく、自宅から近い施設は入所待ちのところばかり。ただ、本人のことを考えると、距離はともかく、ある程度自由に自分らしく過ごせる場所が絶対にいい!そう思っていました。
デイサービス施設を探した時のように、いくつもの施設へ足を運んで見学すること数か月。市内の施設の空きが出るまでという条件で、同系列の市外の施設に入所することが決まりました。いよいよ入所の日。義父にはしばらくの間「お泊り(ショートステイ)」だと話しましたが、なにか違うことがわかっていたのか、「早く帰りたい」と一言。ちょっぴり切なくなりました。しばらくは、1〜2週間に一度、家族で面会に行き、一緒にお昼ご飯を食べたり孫たちとの時間を過ごしたりしながら、穏やかに過ぎていきました。
しかし半年も経たないうちに、施設から連絡がたびたび来るように…。「介護抵抗」が強くなり、職員の方や周囲に暴言や暴力をふるってしまうようになったのです。それを聞いた夫は「あの温厚な親父が暴力なんて!」と頑なに信じませんでしたが、私は義父の病気のことを少なからず学んでいたことと、入所前、孫たちへの態度が別人のような瞬間があったので、その様子も想像がつきました。この後に受診した精神科で、夫が目の当たりにしたもの。それは…。 -次回に続く
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