でこぼこ道の子育て記 31.外水頭症で手術へ一般社団法人sukasuka-ippo代表理事 五本木愛
―現在の連載は10年ほど前、子どもたちがまだ小さい頃、介護をしていたときの経験を書いたものです―
義父が精神病院に入院してから2カ月ほど経ち、現在の病状や今後の話を聞くため、私と夫と義妹の3人で病院へ。主治医によると、病状そのものは多少の改善は見られるものの認知症状が落ち着くには時間がかかりそう―と。しかし本題は別で...。この前日に痙攣発作を起こし、CTの結果どうやら頭蓋骨と脳の間に何かが溜まっているとのこと。専門の医療機関を受診するため、初めて介護タクシーを利用し、車椅子で固定しての移動でした。受診の結果は、脳室内に水が溜まっている外水頭症との診断。脳の委縮で、頭蓋骨との間に隙間ができたことが原因で、急を要する状態ではなく経過観察となりましたが、やはり痙攣発作がおさまらず、ほどなくして手術へ。
そして術後、驚くべき変化が。様子を見に行った私が「どう?大丈夫?」声をかけると、「大丈夫だよ」。さらに、続けて「寒くない?」と聞くと「寒いよ〜」と、言葉が返ってくるではありませんか!こんな言葉のキャッチボールができるなんて奇跡のよう。「たった二言で」と、大げさかもしれませんが、術前に比べると本当にすごいこと。よほど脳に負担がかかっていたのか...そう思わずにはいられませんでした。
手術のおかげで痙攣発作もなくなったのですが、喜んでばかりはいられませんでした。皮肉なことに、この術前術後の療養期間は、元々の病気である『若年性アルツハイマー』を一気に進行させてしまったのです。
-次回に続く
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