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「センスアイランド」仕掛け人に聞く── 暗闇で「人間性の回復」

文化

掲載号:2022年1月28日号

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プロデューサー 齋藤 精一氏(株式会社アブストラクトエンジン代表)
プロデューサー 齋藤 精一氏(株式会社アブストラクトエンジン代表)

 無人島・猿島を舞台にしたアートイベント「Sense Island─感覚の島─ 暗闇の美術島2021」が開幕した。普段は立ち入ることができない夜間の時間帯に島を訪れ、暗闇の中で自然を感じながら五感を研ぎ澄ませて作品と向き合う一風変わった芸術祭だ。企画の狙いやプロデュースの舞台裏を仕掛け人である齋藤精一さんに聞いた。

 ──なぜ猿島なのでしょう。

 「遊休地の利活用を手掛ける国家プロジェクトに携わっていた折に、上地克明市長とお話をする機会があり、横須賀を元気にするアイデアを求められました。そこで思い浮かんだのが猿島。市も夜間利用の検討を始めたタイミングで、実験的に光を使った装飾で島内を彩ることなどに取り組んでいました。ただ、全国どこでもイルミネーションは当たり前の光景になっており、同じ戦略では差別化できません。そこで暗闇をテーマにしたアートプロジェクトを提案しました」 

 ──前回(2019年)は、感覚が研ぎ澄まされる体験を掲げていました。今回のテーマは「音」。これについて企画の意図を聞かせてください。

 「通底する”文明から距離を置く”というコンセプトは同じです。前回の来場者の中に視覚障害を持つ方がいて、音を頼りにして島内を巡ってきたと聞きました。人は暗闇の中にいると聴覚が鋭敏になります。島内には様々な音が響いており、これを感じることを要素に加えました。この文脈に沿ったアーティストを招聘しています」

 ──携帯電話を封印するという行為。これの狙いはなんでしょう。

 「情報が溢れかえる時代です。芸術祭自体もスタンプラリー化しています。作者のメッセージに刺激されて、何かを感じることが鑑賞の醍醐味ですが、事前にインプットした情報の確認や誰かの追体験になっていないでしょうか。情報を遮断して作品と作品の間の余白を楽しみ、自然を肌で感じてもらうためのものです」

 ──アートによる地域活性、アートよるまちづくりの可能性について、どのように考えていますか。

 「全国各地で芸術祭が開かれるようになって約20年。文化が地域と経済を活性化させ、暮らしの質を上げていることを実証しています。私を含むアーティストは半径10キロ圏内、自分の手の届く範囲を豊かにすることを考えています。自分の身の周りを見つめ直す手段としてアートが機能したら嬉しい限り。だからこそ、この芸術祭には横須市民に訪れて欲しいと強く願っています」

■3月6日(日)までの金・土・日と祝日に開催中。詳細は【URL】https://senseisland.com/

猿島が美術島に。展示作品の一例
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