横須賀・三浦 人物風土記
公開日:2025.01.31
先史考古学の研究者で東京都立大学名誉教授。北海道から沖縄の遺跡調査に関わる
山田 昌久さん
横須賀市富士見町在住 71歳
環境共生、縄文人に学ぶ
○…旧石器時代から鉄器時代を研究する先史考古学の専門家。発掘を中心に考古学と民俗学の両面から歴史の究明に挑んで50年超、近年は縄文文化に学ぶ持続可能な暮らしを提言する。先ごろ横須賀市の主催で開かれた自然環境講演会。日本史の中で狩猟採集社会と説明されてきた縄文時代を「里山文化が生まれ、自然との共生生活を実践していた豊かな時代」と再定義し、行き過ぎた便利さを追い求める現代社会に警鐘を鳴らした。
○…語り口は穏やかだが、発するメッセージは力強い。「縄文人は自分が生きる時間で生成した資源で暮らしを営んできた」。現代人はどうか。時間と場所を超越した経済活動がこの100年間で当たり前となり、地球上の資源の前借りをしている状態。自分が責任を持てる資源利用を見つめ直し、行動する必要性を説く。「縄文時代の研究は何千年前の出来事を掘り起こすだけでなく、地球上で未来永劫生きるための良策を導き出すもの」というのが持論だ。
○…3万年以上前、日本列島に船で渡ってきた人の「太古の航海」を再現する実証プロジェクトに参加した。長さ約7・5mの丸木船を製作するために、直径1mのスギを当時の石斧で伐採できるかの実験を主導。エンタメ要素を持った突飛な企画は、考古学の魅力を広く伝える役目を果たすことに貢献したが、それを面白がる柔軟な発想の持ち主でもある。
○…教授職と遺跡調査の多忙な日々の中で、生まれ育った地を気に掛ける。「昭和30年代、横須賀の博物館は考古学研究で全国をリードしたがその元気はない」。変化の兆しはある。大規模なリニューアル計画があり、この分野を研究する若手学芸員がいる。請われれば培った知識を惜しみなく伝えるつもりだ。
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