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横須賀・三浦 人物風土記

公開日:2025.02.07

昨年11月に発足した横須賀市消防団土砂災害機動部隊(LTF)の隊長を務める
石川 栄一さん
横須賀市秋谷在住 61歳

災害復旧、滞らせぬ

 ○…地震や大雨による土砂崩れで地域が分断されたとき、救助救援体制をどう確立するか――。活断層上に立地する横須賀市の課題に向き合うため発足した消防団LTF。重機を運用して復旧対応にあたる専門部隊の旗振り役として、白羽の矢が立った。「地域のため、できることをやっていく」。4月の本格運用を前に、まちの安全を守る覚悟が表情ににじむ。

 ○…ミッションは、分断による孤立が懸念される西地区の復旧対応。隊長を筆頭に重機を扱える計30人の隊員が有事を想定して訓練を重ねていく。土砂で寸断した交通インフラの復旧や建物が倒壊した現場での救助支援など、初期対応に課される役割は大きい。部隊の運用に当たっては人命救助を担う市消防局との連携が欠かせず、「署員と顔の見える関係性を築き、有事に力が発揮できる体制を整えたい」。また災害時は団員自らも被災者となることを念頭に、誰が欠けても活動を継続できる組織力の強化が自らの責務と心得る。

 ○…秋谷に事業所を構える運送会社役員。消防団には21歳のときに入団し、40年来、地域防災の要としての役割を全うしてきた。現在は大楠地区消防団副団長も務める。LTF隊長就任は、消防団長の宇内正城氏の打診を受けて。最前線で活動する組織に重機があれば助かる命があるかもしれないと設立の準備を重ねる氏の熱意を受け止め、二つ返事で引き受けた。

 ○…原点は消防団活動に熱心だった父の姿。「昔は火事があると半鐘を鳴らしてね。連打は町内、3回は町外。父はいつも現場に飛んで行った」。子ども心に誇らしさを感じた背中は、今は自らが背負うべき責任に変わった。自分たちのまちは自分たちで守る―。その矜持を胸に、部隊を率いていく。

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