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横須賀・三浦 人物風土記

公開日:2025.03.07

しらかばこども園園長で、2月に若者の自立援助ホームを立ち上げた
浜田 和幸さん
横須賀市浜見台在住 65歳

支援の手 そっと差し出す

 ○…「救いを求める声には迷わず手を」。こども園の園長の傍ら、児童養護施設や障害者向けの生活介助事業なども主体となって手掛ける。若者向けの自立援助ホームの設立は、養護施設出身者から届いたSOSがきっかけ。国の法改正で施設退所後の若者支援への機運が高まる中、支援を求める生の声に即座に反応し、行政に先んじた自主事業として運営を始めた。

 ○…自宅を兼ねた園舎で園児や保育士と過ごした少年時代。「しらかばのお兄さん」として卒園後も幼児と保護者から親しまれた。神奈川県入庁後は障害者施設や児童相談所に勤務。心に深い傷を負い、時に非行に走る子どもたちと向き合ってきた。父が母を殺害する現場に居合わせた少年や、14歳で父の子を身ごもった少女。我が子を手放そうとしない親と対峙する場面もあったが、「子どもの命を守る最後の砦」として、一貫して弱者の側に立った援助を行ってきた。

 ○…転機が訪れたのは43歳の時。園を運営していた父が亡くなり、その後を継いだ母の後任として白羽の矢が立った。障害児入所施設での勤務経験から、障害者と健常者を分け隔てなく教育する自園の理念を再認識し、園長就任を決意。時代とともに園のそうした考えへの理解が高まり、現在は分園を2つ構えるまでになった。

 ○…当人の年齢や直面する環境によって、助けを必要とする場面や支援の手法は変わる。地域での関係性の希薄化が進む中、「親が孤立する過程で虐待が起きやすい」という持論から保護者を対象にした相談センターも設置。子どもの健全発達を軸にあらゆる角度から支援の手を伸ばす。心の拠り所の確保を使命に感じ、助けを求める声に応えていく。

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