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横須賀・三浦 人物風土記

公開日:2025.07.25

音楽プロデューサーで、歌手・作家としても活動。主演映画の公開も控える
S-KENさん(エスケン)
三浦市三崎在住 78歳

往時の三崎の狂騒を小説に

 ○…「晩年はやり残した本の執筆や作詞作曲でもしてのんびり暮らすつもりだった」。昨年4月、カルチャーの発信地である東京を離れて三崎に移住。「世界と繋がる港の開放的な雰囲気」に親近感を覚え、妻と2匹の愛犬を引き連れてやってきた。仕事のペースを落として、好きなことだけに没入するはずだったが映画の主役、音楽ステージと依頼が次々と舞い込んでくる。日本のサブカルチャーの牽引者は老いて益々盛んだ。

 ○…音楽プロデューサーとして携わった作品は109タイトル。第一線で活躍するアーティストと交流も深く、誘いを受けたのが市民ホール「うらり」でのライブ。後輩バンドのメンバーが三崎を気に入り、急遽決まった企画に友情出演、「よろめきながら地下鉄へ」など40年前の曲から最新作を軽快なステップとともに披露した。

 ○…70年代初頭、作曲者として評価を受けてポーランド音楽祭に参加。世界放浪を経て、最新の音楽を伝える特派員に。滞在先のニューヨークで勃興し始めたパンクロックに遭遇し、刺激的で攻撃的な若者文化を日本に持ち込んだ。それが「東京ロッカーズ」と呼ばれるムーブメントに発展、多くの才能を世に送り出してきた一方、自身もアーティストとして活動してきた。

 ○…尽きない興味の中で、関心を寄せているのが1960・70年代にマグロ漁の基地として栄えた往時の三崎。手に入れた商店街の地図には、250軒もの飲食店やバーがあり「銀座をしのぐ不夜城と呼ばれていた」。毎日が死と隣り合わせの船乗りが緊張をほどく場所だったこの地には「記録に残されていない人間ドラマがいくつもあり、小説にして残す」と力を込める。ライフワークにしていくつもりだ。

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