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横須賀・三浦 トップニュース社会

公開日:2025.07.25

鷹取温泉
「レンタル銭湯」再出発
湯に浸からずに多世代集う場に

  • 7月21日に開かれたプレ音楽ライブ。約40人が集まった

 かつて地域住民に親しまれ、現在は廃業している「鷹取温泉」(横須賀市鷹取1丁目)をレンタルスペースとして貸し出すユニークな取り組みが動き始めている。壁面のタイルや浴槽、下駄箱などは残したまま、銭湯が持つ「昭和レトロ」な雰囲気を楽しんでもらう。ワークショップやマルシェ、音楽ライブなどを想定。若者から地域住民まで幅広く利用してもらい、多世代が集える場として今夏のオープンを目指している。

「本日のお湯はローズ湯です」--。経営当時の看板を脇目に階段を上ると、下駄箱やタイル、カランといった廃業した当時のままの設備が姿を現す。約60平方メートルほどの男湯では浴槽に楽器が置かれ、音楽ライブを楽しむ人々であふれている。

 同銭湯をレンタルスペースとして利活用しているのは、追浜に拠点を置き、使われなくなった建物をリノベーションしている(株)メゾンドヌック(谷口和泉代表)。谷口代表によると鷹取温泉は6年ほど前に閉業して以降、使用されていなかった。浴場として復活させるのは採算が取れず、「昭和レトロながら今風にリバイバルされた、若者が押し寄せる空間にしよう」と当時のままの姿を生かして所有者からスペースを借りて事業に着手した。

 4階建てビルの2階にある同銭湯。1階には既存の店舗があり、レンタルスペースでのイベントなどを通じて地域住民らとの交流を促進し「新たな賑わいを創出できたら」と谷口代表は話す。

出店ハードル下げる

 男湯・女湯それぞれ違ったコンセプトで改装を進めている。男湯は広い空間を利用して、ワークショップやマルシェ、アートギャラリーの開催、撮影スペースなどを想定。女湯は音楽ライブや1日飲食営業などをめざす。「飲食店営業許可を取得し、チャレンジショップのような利用も進められたら」

消えゆく存在か

 かつては生活の一部として、なくてはならなかった公衆浴場だが、生活様式の変化や経営者の高齢化、燃料費の高騰など複合的な理由を背景に全国的にも減少の一途をたどる。横須賀市内では、1960年代から70年にかけて100店ほどが存在。しかし徐々に減少を続け、2018年4月時点の「横須賀浴場事業協同組合」加盟店は16店だったが、現時点では11店にまでその数を減らしている。

 谷口代表は「銭湯の持つ温かみや歴史を受け継ぎながら、この空間をつないでいきたい。『いつも何かやってるよね』と思ってもらえる場所になれば」と話している。

 利用は男湯・女湯それぞれ1万3千円ほど、両方予約で2万円を予定している。現在クラウドファンディングで整備にかかる費用などを募集中。詳細は「鷹取温泉 レンタル」で検索。

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