戻る

横須賀・三浦 トップニュース文化

公開日:2025.08.01

満昌寺
三浦義明坐像を後世に
180年ぶりの改修 CFで費用募る

  • 三浦義明坐像と永井住職(今年4月撮影)

 横須賀市大矢部にある臨済宗建長寺派の名刹「満昌寺」の国指定重要文化財「木造 三浦義明坐像」の修復作業が文化庁管轄のもと、京都府で進んでいる。同寺では現在、修復にかかる費用をクラウドファンディング(CF)で募っている。集めた資金は、義明の没後850年となる2030年に計画している法要儀式「遠諱(おんき)」にも充当する予定だ。

 相模国の国衙(こくが)の役職(在庁官人)だった三浦大介義明は平安時代の1092年、三浦義継の子として衣笠で生を受けた。幼少期から弓馬に秀でており、15歳で元服。自身の兄弟や息子らを三浦半島全域に配置して領地を治めるなど、政治・人格に優れた人物と伝えられている。1180年、源頼朝の平家追討の旗揚げにいち早く呼応。鎌倉幕府の成立にも大きな役割を果たしたとともに三浦一族繁栄の礎となり、89歳で戦死した。

 同寺は頼朝が義明の菩提を弔うために1194年に創建。坐像は、義明をかたどった等身大の武人俗体彫刻で鎌倉時代後期の造立とされている。像高81・4cm、重さは約70kgある。寄木造りで玉眼入り、頭頂には冠をのせ、右手に笏(しゃく)を持ち、太刀を携えている。

 修復は約180年ぶり。作業を担当する(公財)美術院が昨年4月に坐像の状態を調査するため、解体。胎内には文字が書かれた木札が入っており、三浦一族の子孫がこれを解読すると、前回の作業が江戸時代の1846年であることが判明した。

 坐像は今年5月末に搬出されており、2026年3月頃に修復作業が終了する予定。坐像と台座それぞれの経年劣化している継ぎ目や塗装などを約10カ月かけて直す。

 費用は約600万円。半分を国が負担し、残りを県・市・同寺で分担する。

 同寺の永井宗寛住職は「三浦半島の歴史を代表する人物だが、近年は彼を知らない人も多い。没後850年の節目を迎えるにあたり、改めて、生き様や生涯を伝えていくのが使命だと感じている」と話す。

 CFは10月15日(水)まで、朝日新聞社が運営する「A-portみらい」で実施している。

ピックアップ

すべて見る

意見広告・議会報告

すべて見る

横須賀・三浦 トップニュースの新着記事

横須賀・三浦 トップニュースの記事を検索

コラム

コラム一覧

求人特集

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS