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公開日:2025.08.29
株式会社サンエー
クルマエビを名物に
陸上養殖開始、11月頃出荷へ
太陽光発電システムの設計・施工・販売を主業とする(株)サンエー(本社・横須賀市三春町)は、クルマエビの陸上養殖を開始した。本社の倉庫を養殖場に改装し、約8千匹を飼育。今年11月頃の初出荷を見込んでいる。同社の庵崎栄代表は「クルマエビの陸上養殖は関東圏では珍しい。おいしさと共に安全・安心な横須賀のブランドとして定着させたい」と話している。
古くから高級エビとして知られるクルマエビは暖流系の内湾域を中心に生息しており、九州地方や沖縄県などで養殖が盛んだ。
陸上養殖は、陸地に人工的に設置した水槽で飼育する形態。海水などを継続的に引き込む「かけ流し式」と飼育水を浄化装置で循環させる「閉鎖循環式」の主に2つに分けられる。陸上養殖は、人為管理による生産性の向上、魚種の制約がないといったメリットがある。漁業権が不要で、誰でも参入しやすいのが特徴の一つであり、水産省によると異業種からの参入も増加傾向にあるという。
同社ではクルマエビの陸上養殖事業者から学んだノウハウを元に今年5月から取り組みを開始した。縦約3m、横約2mのプールを2基用意し、それぞれに0・5cmほどの稚エビ約4千匹を放流。水質や水温、室内温度、病気の管理や餌やりなどを同社の社員数名で行っている。しかし共食いなどで数を減らしてしまうため、「全体の7割ほどを出荷できたら」と鈴木龍成専務は目標を掲げる。体長が15〜18cmほどに成長するとされる11月頃を出荷の目途と想定しており、出荷量は約260kgを見込む。
遊休施設活用も視野
養殖用プールの1基は海水を引き込み循環させるかけ流し式、もう1基は水道水などを人工海水にして使用する閉鎖循環式を採用。知見を収集し、今後は山間部など海から離れた場所でも養殖を可能にして出荷量拡大をめざす。将来的には空き家や廃校といった遊休施設の活用も視野に入れており「ビジネスとしてだけでなく、社会課題の解決にも寄与出来たら」と庵崎代表は狙いを話している。
年3t安定的に
初回出荷後は現存する2基は残しつつ、クルマエビにとってより過酷な環境下を用意し、そこに新たに5基を追加する予定だ。今後、年間3tの出荷を目指していく。また、養殖場ではセンサーカメラやAI、同社の本業である太陽光発電システムなどを有効活用し、管理にかかる人件費の削減を図り、安定的な供給システムを構築していく。
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