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横須賀・三浦 人物風土記

公開日:2025.10.10

脚本家、放送作家、ライターとして気候変動や環境問題を提起する
小原 信治さん
横須賀市秋谷在住 56歳

”共育”が行動変容を生む

 ○…自身が脚本を手掛けた地球温暖化などを学べるショートアニメ『FUTURE KID TAKARA』が11月からNHK Eテレで放送される。「未来は君たちが変えていける」。子どもたちには、そんな前向きな思いを持ってほしいと願いを込めた作品だ。予断を許さない気候変動や農業が抱える課題に目を向け、種々のメディアで社会的課題を考えるきっかけを提供している。

 ○…大和市出身。大学時代、完全出来高制という甘言につられ飛び込んだ放送作家のアルバイトがキャリアの原点だ。自分の言葉で社会に何かを伝える。新聞記者を志していたこともあってか、肌に合った。卒業後は、テレビ番組・映画の制作会社に入社。番組の一環で全国の農家を取材すると、農業に携わる人や気候変動が与える影響、課題が見えてきた。少しでもこの現実を知ってほしい。消費者が知り、変われば最前線の環境は変わる。「消費型の生活」に疑問が生じたこともあり、秋谷に移り住んだ。

 ○…秋谷での営みは人生観を大きく変えた。自然に身を置き、作物を育て食す。密な地域の繋がり。ここには金銭では得られない幸せがあった。所帯も持った。すると夜遅くまで働く自分を見て娘は「もう寝な」と言ってくれる。親が子に教える「当たり前」を逆に子どもが気付かせてくれる。一方的に伝えるのでは、人の行動は変わらない。共に悩み考え、共に育つ”共育”が大切だと身に染みた。

 ○…「こうすればもっと得をする。楽しくなるよね」。メリットを伝え、自発的な行動を誘引する。環境問題に対してもそうだ。ただ危機感を煽るだけでは人は動かない。自身のライフスタイルや学び、発見や感動を面白く伝えることで、行動変容を促していく。

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