横須賀・三浦 トップニュース文化
公開日:2025.12.26
くろば亭山田さん
芸術で三崎盛り上げろ
「民芸館」設立見据えた個展
三浦市三崎のまぐろ料理店「くろば亭」初代店主の山田芳央さん(78)が12月27日(土)から「俺の人生、おもしれえだろ?ヤマダヨシオ展」と題した個展をベイシア2階のニナイテを主会場に開催する。力強くもどこか優しい表情を宿した彫刻作品群を中心に粘土細工や書などを展示。まぐろなどの「食」がクローズアップされがちな三崎に「文化イベント」を根付かせるための第一歩と山田さんは同展を位置付ける。将来的に地元の芸術家の作品を集めた常設の「民芸館」を三崎に設け、滞在時間を延ばす一手にしたい考えだ。
人々の幸福を願い、全国を行脚した江戸時代の仏師・円空を心の師と仰ぎ40年超。山田さんは料理人として腕を振るう傍ら、これまで10カ国を巡り、陶仏や石仏、木仏、仏教曼荼羅などを研究し、独学ながら創作活動に打ち込んできた。「作りながら、円空さんならどう考えるかなって」
今回の個展で特に注目なのは、秋田県・鳥海山の地中に埋もれ長い年月をかけて炭化した巨大な「埋もれ木」。高さ3m、重さ2トンを超える巨木をまるごと1本買い取り、真夏や厳冬の中でも彫り続け作品化した。「木と向き合っていると、木目や節が神仏の表情に『見えてくる』」。独自の観察眼でノミをふるい、命を吹き込んだ。運搬が困難なため、会場ではその迫力を伝える写真やパネルで展示される予定だ。
展示作品は多様で幅広い。例えば、「五百羅漢」=右写真。シャーマンに童子、地蔵-。一つとして同じ顔はなく、それぞれが個性豊かな表情を見せている。「綺麗に彫る事が正しいとは限らない。もっと自由に。もっと楽しく」。これらは、造形した粘土を三浦海岸の砂を用いて窯で焼く「サンド焼き」で作成。将来的にこの工程を観光体験として提供し、土産品とすることも視野に入れているという。
そのほか、流木や木の根を利用した作品や、山田さんが三崎朝市で約10年来にわたり提供してきた名物「オヤジメシ」のメニュー表、まぐろの臓物をモチーフにした創作キャラの展示等もある。
滞在時間延長へ布石
山田さんは、三崎で食事後も楽しめる文化的スポット創出の必要性を痛感しており、将来的に地元の陶芸家や彫刻家、音楽家の作品を集めた「民芸館」の設立も構想中だ。「海に囲まれた三崎には美術文化を形成できる様々な素材がある」。今回の個展はその周知を図る第一歩で、協力者を募りたい考えだ。
会期は1月12日(月)まで(12月31日(水)から1月3日(土)休館)。12月27日午後2時から4時はオープニングイベントとして、山田さんが登場するトークショーもある。
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