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三浦産真珠 市民の手で養殖後押し 油壺住民がNPO法人発足

社会

掲載号:2015年6月12日号

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アコヤ貝の良好な生育の妨げになるフジツボなどの付着物を清掃する出口さん
アコヤ貝の良好な生育の妨げになるフジツボなどの付着物を清掃する出口さん

 油壺周辺の海でかつて行われていた真珠の養殖技術開発。三浦市が誇るべき歴史と海の素晴らしさを次世代の子どもたちに伝えようと、産学官民が一体となって三浦産真珠の再生研究に挑んでいる。先月、この取り組みを市民の手で支えるためのNPO法人「小網代パール海育隊(うみいくたい)」が発足。独自の海洋教育指針を掲げるなど、真珠を通した新たな街づくりが進んでいる。

 明治時代、世界で初めて三浦市内で進められた真珠養殖技術の研究は、真珠の製造販売を行う「ミキモト」の創業者、御木本幸吉氏と、「東京大学三崎臨海実験所」の初代所長、箕作佳吉氏との共同研究がきっかけで始まったもの。明治末期、養殖所の廃止後は、時間の経過とともに忘れ去られ、当時の様子を知る人も次第に少なくなっていった。

 それから数十年が経った2009年。これらの史実を耳にした同実験所所長の赤坂甲治氏とミキモト社が再び研究に乗り出し、2013年11月には、三崎臨海実験所を中心とした「三浦真珠復活を基盤とする海洋教育促進等プロジェクト」がスタートした。携わるメンバーには、海洋・水産関係に造詣が深い京急油壺マリンパークと地元の漁協関係者有志、三浦市などが顔をそろえ、街をあげた復活事業が本格的に動き出した。

 そして今年、研究の成果が実を結び、養殖に成功。少量かつ不揃いな形・大きさながら、きらりと光る三浦産真珠が見事に復活を遂げた。

海洋教育に活用

 真珠養殖研究は地域の歴史・自然環境・産業など幅広く学べる海洋教育の生きた教材としても活用。油壺の海にほど近い市立名向小学校では同プロジェクトの一環で海洋出前授業が行われているほか、児童自らの手でアコヤ貝に核入れした真珠を卒業記念品として贈呈することも内容に盛り込まれているという。

 「自然教育の場を提供したい」――。今回、地元住民有志が立ち上がって発足したNPO法人「小網代パール海育隊」も、真珠養殖の支援を通して環境の保全・地域住民との交流・海洋教育の促進・海を愛する人材の育成を目的に15人のメンバーで活動している。

 現在は真珠の母貝となる三浦産アコヤ貝を増やす事業に取り組んでおり、今後は子どもたちの参加を募りながら、海洋生物の生態系に重要とされる”海のゆりかご”と呼ばれるアマモ場の再生、漁業資源回復のための稚魚の放流や船上から三浦の海を学ぶプログラムなどを随時行っていきたい考えだ。

 「大勢の人に関心を持ってもらうため、子ども会や学校・部活動単位で受け入れていきたい」と同会代表の出口浩さん=左記事で紹介。大人から子どもの世代間伝承だけでなく、自発的に考え学校や家庭で知識を共有してもらいたいと「子どもから子どもへ伝えていけたら」と期待を膨らませている。

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