乗車が好きな”乗り鉄”、車両を撮影する”撮り鉄”などジャンルによって実にさまざまな楽しみ方がある鉄道。小網代に住む土橋敏夫さん(68)は、幼い頃から鉄道模型に魅了され、これまで200両を超える模型を自作している。自宅2階の作業部屋と廊下には模型を走らせるためのレールがぐるりと敷かれ、四方の棚には京急旧1000系・600系、国鉄70系電車、電気機関車など自慢の作品が所せましと並んでいる。
手掛ける模型の車体はボール紙で作られ、内外装の細かなパーツも木材や針金など極力身近な材料で再現。ほかにも城ヶ島灯台や京急油壺マリンパーク、三浦海岸の早春の風物詩・河津桜と菜の花といった実際の情景をジオラマで作りあげるこだわりぶりで、鉄道ファンならずとも見る者を独自の世界へ引き込む。
東京都板橋区の出身で、自宅のすぐそばを東武東上線が走る街で育った。かつて聞いた両親の話では、2歳頃から窓の外を行き交う電車を静かにじっと眺め、小学生になると電車を撮影するためしばしば東京駅へ出かけていたという。それから半世紀が過ぎた今も、鉄道に心躍らせた少年時代を思い返しながら制作作業に没頭する。鉄道模型の楽しみ方は、実物さながらの精密さや世界観など人それぞれだが、「見た人が『あの時、この電車に乗ってこんなことがあったな』と、私のように昔を思い出してもらえたら嬉しい」
勤めていた会社を55歳で早期退職し、3〜4年ほど前から漁師として魚を追いかける土橋さん。「実は釣りも子どもの頃から好きで」と話し、仕事に趣味に第2の人生を謳歌する毎日だ。
現在は、市民サークル「横須賀鉄道模型同好会」に所属。共通の趣味を持つ仲間たちと親睦を深めるほか、ボランティアとして地元の名向小学校のサマースクールで子どもたちに鉄道模型の魅力を伝えている。自身の孫との電車遊びも楽しみの1つで、「まるで親分みたいに一緒になって楽しんじゃう」と笑みをこぼす。
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来月5日に地域福祉センターで催される「地域をつなぐはつらつフェスタ」で、一部の模型を展示。実際にレールを走行させる運転体験もできる。
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