三浦への移住希望者や開業をめざす人に、お試しの場を提供――。合同会社MISAKI(ミサキ) STAYLE(ステイル)(菊地未来代表)が今月2日、三崎港そばに新施設「ALBE(あるべ)」をオープンした。1階にシェアキッチン、2階に居住空間を設け、従来から行っている移住相談や創業支援などの拠点としても活用。新しい人の流れをつくり、にぎわい創出に寄与したいとしている。
「ALBE(あるべ)」(三崎5の1の10)は、かつて船宿として機能していた築約60年の木造2階建ての民家を利用。もとはゲストハウスの開業をめざしていた菊地さんが、3年前に見つけた空き物件だった。今春に賃貸契約を結び、4月から和室の解体、内外装の塗り替え、水回りの設備工事などの改修を行ってきたという。
1階は「トライアルキッチン」と銘打ち、これから飲食店経営をめざす人に時間貸し。6時間1500円+売上の10%(保険料別)でシミュレーションすることができる。また、同社では一般食堂と弁当屋の営業許可を取得。あす8月10日(土)から不定休で、「朝めし あるべ」もオープン(午前5時から10時)し、早朝から働く魚市場関係者や三崎朝市を訪れた観光客へ朝食を提供する。
2階は広さ四畳半と六畳の2部屋を用意。移住を検討する人が気軽に生活体験できる場を作った。
三浦市は2015年度からお試し居住「トライアルステイ」を開始。当初はおよそ2週間の滞在で、本来の趣旨である「リアルな三浦の暮らしを体験する」には期間が短かく、必要な生活備品も充足していなかったことから、「1年中、いつでも受け入れられる施設があればいいなという思いがきっかけだった」と菊地さん。「トライアルステイの応募にはずれた人や、物件やスケジュールのマッチングも可能で移住希望者の選択肢が増やすことにもつながる」
四畳半を月3万7000円、六畳を4万円で体験入居ができ(事務手数料・保険料別)、菊地さんは「誰でも気軽に立ち寄れ、三浦で何かを始める人が集まる場にしたい」と意欲を見せた。
民間主導に転換へ
本年度、三浦市のトライアルステイは、不動産事業者である「株式会社シー・エフ・ネッツ」へ委託。物件提供や交流会・移住セミナーの開催などを手掛けている。
来年度以降は同社の自主事業として継続する方向で調整を進めているとし、政策部市長室の徳江卓室長は「ALBEの開設は民間主導の取り組みの先駆けで、とてもありがたく嬉しい。室内もよく考えられていて、地元の力が集約されていた」と話した。
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