リモートで京都の文化にふれて――。新型コロナウイルスの感染拡大により中止となった修学旅行に代わる思い出づくりの機会を設けようと、初声中学校で先月24日、扇子絵付け体験が行われた。3年生の各教室と扇子専門店「舞扇堂(まいせんどう)」(京都市)をウェブ会議システムでつなぎ、生徒たちはリモートで京都気分を味わった。
今年5月に京都方面への修学旅行を予定していたが、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言の発出により10月に延期。しかし、その後も全国的に感染者数が増加し、収束の見通しが立たないことから中止が決定していた。
「3年生が楽しめるものを」。体育祭は半日に縮小して開催、文化祭は中止を余儀なくされた生徒の心情をはかり、学校長が代替行事の実施を提案。教員からアイデアを募り、京都らしさを模索するなかで、扇子絵付け体験を企画した。
教育旅行の受け入れや学生向け扇子デザインコンクールの開催などを行う舞扇堂に協力を依頼。”リモート体験”の前例はなかったが、「言葉や景色などから京都の雰囲気を少しでも感じられるようできないか」との打診にも快く承諾してくれたという。
同店から見える法観寺の八坂の塔が時折画面に映されるなか、生徒らは事前準備した下絵をもとに扇面紙に絵付けしていった。体験を振り返って川名翔生力さんは、「ずっと楽しみにしていた修学旅行が中止になって悲しかったが、思い出の品ができて嬉しい」と笑顔で話した。
扇面紙は一度同社へ送られ、職人が骨をつけた後、生徒たちのもとに届けられる。
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