広い砂浜を駆ける馬、夏の海をざぶざぶと泳ぐ馬。その様子を初めて見る観光客は目を丸くして驚くが、地元住民にとってその風景は日常になっている。
これらは上宮田の「ホーストレッキングファーム三浦海岸」が提供する、人気のアクティビティ。年月をかけて、地元の理解を得ながら育ててきた三浦海岸の観光資源のひとつだ。
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同ファームは、もともと他の乗馬クラブの外場施設として誕生。14年から現在の屋号に変わり、昨年6月からは当時15歳だった小柳充輝さんが前オーナーから引き継ぎ、CEO(最高経営責任者)を務める。
小柳さんは都内在住で、現在インターナショナルスクールの11年生。体験学習ツアーの一環で初めて乗馬を体験して以来、母親の影響もあって6歳から三浦海岸に通い始めたという。
あるとき、師匠のように慕っていた前オーナーが、長年の夢だった競走馬にかかわる仕事に挑戦するため、クラブを離れることに。後継者が現れず、存続も危ぶまれるなか、「三浦海岸に馬のいる風景を守りたい」と名乗りを上げた。
昨年6月、コロナ禍での事業承継。緊急事態宣言の解除を待ってのリスタートだったが、外出自粛の影響で利用客は減少。毎年予約で埋まるはずの夏も、昨年は稼働率が低かったという。
建て直しを図るため、CEOとして率先して行動。大人たちのサポートを得て、ホームページの改修や顧客へのDM送付のほか、蹄鉄を使ったアート体験付きプランの商品化などに奔走した。その甲斐あって徐々に、客足は戻りつつある。そして、新たなニーズを探るなかで見えたのは、「もっと気軽にたくさんの人が馬とふれあえる場を作りたい」という思いだった。
先月からは自身の人脈を駆使して観音崎京急ホテルと連携。同ホテルでミニチュアポニーとのふれあいを楽しむ新アクティビティもスタートした。餌やりや写真撮影、観音崎海岸の散歩や騎乗しながら専用コースを進むことができる体験メニューを用意。土日限定のサービスながら、親子連れを中心に好評を博しているという。
経営と学業の両立
じつは15歳の誕生日に、音や音楽を活用したヘルスケア・教育プログラムを開発する新会社も起業している小柳さん。学業との両立は「意外と何とかなる」とけろりとする。テスト勉強に追われ、友人とアカペラグループを組んで練習に励んだり、深夜までゲームで盛り上がったりと高校生らしい一面も覗かせ、長年の愛馬「ナポレオン」とのふれあいも心和む時間だという。
今後は、子ども向けのサービスや、自身の強みをいかして、馬と音楽をコラボレーションさせた新たな商品開発も視野に入れている。「馬の魅力を多くの人に感じてもらえたら」
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ホーストレッキング観音崎海岸の予約は【URL】https://miuracocoon.com/activitiesへ。
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