みうら夜市今年も中止 文化
6月24日号
30を超える地元住民や事業者らでつくる有志団体「三崎下町環境美化の会」(秋本清道代表幹事)が5月20日、三崎下町地区の一斉清掃を行った。一昨年の団体発足後、初の実施。夏の観光シーズンを目前に、町内会や商店会、企業、行政などから168人が参加し、気持ちを一つに街全体をきれいにした。
"おもてなし"が原点
団体発足のきっかけは、ピアノ教室を主宰しながら喫茶店「キーコーヒー」で働く力丸則子さん(白石町在住)の呼び掛けに端を発する。30年以上にわたって三崎港ロータリー付近で清掃活動を行ってきたが、1人では限界があった。「食と観光の街になった三崎下町を地元の皆さんによる"おもてなし"の精神で、もう少しきれいにできないものか」。地域全体の美化活動として取り組もうと、知人らに届いたその声は周囲に計り知れない影響を与え、賛同したメンバーが「ポイ捨てごみのない町で観光客をおもてなし」を掲げ、2020年12月に団体を立ち上げた。
現在会員は34団体・5個人。1年に及ぶ話し合いを重ね、GW明けの5月と秋の行楽シーズンを迎える11月に、一斉清掃することを決めた。
約1・5トンごみ回収
三崎下町をAブロック(三崎新港周辺)、Bブロック(うらり・西浜区・宮城区周辺)、Cブロック(西海上区・花暮区)、Dブロック(日の出区・入船区・仲崎区)の4ブロックに分け、一斉清掃がスタート。三崎をよく訪れるという芸能人も飛び入りで参加した。
ごみ袋を片手に街を歩き回った参加者は、海から流れ着いた菓子袋や釣り客が残していった空き缶・ペットボトル、ロープ・ブイといった漁具、流木などを拾ったほか、海辺に面した溝に入り込んだ枯れ葉や雑草も除去した。
1時間30分ほど作業して、枝木・草類約1145kg、可燃ごみ約260kg、不燃ごみと金属類がそれぞれ約10kgの計1425kg、ごみ袋で140袋が集まった。最後は三浦市の清掃事業者が回収した。
自分事として意識を
「こんなにも多くの協力者が動くとは夢にも思わなかった。ありがとうの気持ちで胸がいっぱい」。業界の垣根を越えた人々が一丸となり、ただ黙々と清掃する光景を目にした力丸さんは歓喜した。
秋本代表幹事は「地元に落ちているごみを住民自ら拾う姿を広く発信することで、皆がごみ問題を自分事として捉え、意識してもらうのが狙い。今夏はたくさんの観光客が来ることが予想されるので、きれいな三崎下町で迎えられれば」と前を向いた。
![]() 流木など車の荷台に積んで回収した
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2022年4月15日号