三浦市は、10月１日（日）から小児医療費助成の対象年齢をこれまでの中学３年までから高校３年相当（18歳の誕生日後の最初の３月31日まで）に引き上げる。一部負担金や所得制限も設けない。今年度から三浦市を含む神奈川県内22の自治体も同様に拡大。背景には、少子化対策や子育て世帯の支援などがある。

　市子ども課によると、新たに対象となるのは約８００人で、これまでの約３千人に追加。市は今年度一般会計予算に３９９３万９千円の事業費を計上し、県が助成対象外としている中学１年から高校３年までの通院・入院医療費の自己負担（保険適用）分を助成する。

対象世帯に申請書発送

　新たに対象となる子どもがいる世帯には、７月下旬から市が申請書を発送している。８月１日から返信を受け付け、９月下旬から医療証を郵送。市子ども課や南下浦出張所、初声出張所の窓口でも申請できる。また、医療証が届く前に病院を受診し、自己負担額が発生した場合は、後日申請すれば助成を受けられる。

　市内で高校１年の娘を育てる父親は「子ども１人で病院に行かせる時、本人にお金を払わせることへの抵抗や病気を我慢してしまうのではという心配があった。また、食べ物やガソリンも高くつくので家計は助かる」とコメント。市子ども課は「経済負担軽減の需要は高い。安心して医療が受けられる環境を提供し、子育て支援の充実を図っていく」としている。

　現在国内では全国一律の助成制度がなく、各自治体がそれぞれ予算を確保し、対象年齢も地域によって異なる。近年は税制変動や物価上昇など経済の変化もあり、子育て世帯が在住地を選ぶ要素の一つにもなっている。