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三浦 トップニュース文化

公開日:2023.10.06

小網代在住宇野登さん
高齢者叙勲(旭単)を受章
長年にわたる板前人生に光

  • 30年以上もの間、愛用しているという年季の入った包丁を手にする宇野さん

 神奈川県調理師連合会副会長で小網代在住の宇野登さん(88)が先月、内閣府から発令された高齢者叙勲で旭日単光章を授与されることが決まった。 70年以上にわたり、料理の道を歩み続けた人生。朗報を受けた関係者で現在、記念祝賀会の準備が進められている。

 高齢者叙勲は、春秋叙勲で勲章を授与されていない功労者に対し、88歳に達した機会に勲章を授与されるもの。1973年6月以降、毎月1日付けで実施されている。

 宇野さんは1935年8月、愛知県岡崎市生まれ。戦後間もない食糧難の時代。10人きょうだいで、13歳の時に父親を亡くし、「とても裕福ではなかった」と振り返る。

 熱海の旅館で板前をしていた叔父に憧れを抱き、中学卒業後に料理人となった。「腕の良い板前がいると聞けば、休みも関係なく手伝いに行った。無我夢中で、苦労なんて感じなかった」と修業当時を明るく語る。

 こうした料理に対するひたむきな姿勢とセンスが認められ、24歳という若さで、「ホテル京急油壺 観潮荘」の前身となる「京急油壺レストハウス」の板長として招かれた。その後、三崎下町に日本料理店「天常(てんつね)」を開業。天ぷらや蕎麦を看板メニューに、およそ40年にわたって市民や観光客らの胃袋を満たした。

 三崎・海南神社で執り行われる「食の神フェスティバル」では、大根やニンジンに飾り包丁を入れ、花や動物などを表現した奉納料理を披露。現在は、趣味の小品盆栽やハーレーダビッドソンを乗りこなすツーリングの傍ら、県内各地に赴き、職人を志す若者らに魚のさばき方など、これまで培ってきた伝統の技を惜しみなく授けている。宇野さんは「料理人は天職だったと思う。いつか私を超えるような名人が生まれてもらえれば」と期待を込め、今後も後進育成に力を注いでいく。

 なお、記念祝賀会は11月21日(火)、ホテルメルパルク横浜で開催予定。

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