三浦 経済
公開日:2023.12.01
「地域活性」ヒントはイタリア
黒岩知事がシンポで提案
三浦半島の活性化を考える神奈川県主催のシンポジウムが11月22日、本町のヨコスカ・ベイサイド・ポケットで開かれ、黒岩祐治県知事がイタリアの成功事例をヒントにした観光集客のアイデアを披露した=写真。
県は横浜・鎌倉・箱根に次ぐ「第4の観光の核づくり」として三浦市の城ヶ島・三崎地区を定め、取組に着手。2020年には地元住民からの強い要望に応え、城ヶ島大橋を無償化している。
今回、黒岩知事が持ち出したのは「アルベルゴ・ディフーゾ」と呼ばれるイタリア発祥の観光手法。同国では1960年代に都市化が進み、現在の日本社会と同じく、少子高齢化や地方の過疎化が問題になったという。これの反動として70年代に入ると、自然や歴史的建造物を生かした地域づくりが見直されるようになり、散見されていた空き家を宿泊施設として再生し、観光産業で盛り立てていく動きが活発化していった。土地の食材や伝統的な食文化を見直す「スローフード」の考えも共感を呼び、地域の価値が高まり、再生につながっていった。
翻って三浦半島。食の分野では、野比在住の料理研究家、長谷川りえさんが三浦半島とイタリア半島の地形、緯度、三方が海といった類似性や食材の宝庫といった面での共通点に着目し、「三浦半島はイタリア半島プロジェクト」と題した企画を2016年から進めていることも紹介された。黒岩知事はこのシンプルな発想に共感を示し、宿泊観光とも連携して成果につなげていく考えだ。
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