アカデミー賞受賞作『君たちはどう生きるか』をはじめ、世界から注目を集めるアニメ作品を世に送り出してきたスタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫氏の原点とこれまでの仕事に焦点を当てた「鈴木敏夫とジブリ展」が、横須賀美術館(横須賀市鴨居4の1)で開かれている。全国7カ所を巡ってきた人気展で、神奈川では初の開催。期間中、11万人の来場者を見込む。
来場目標は11万人
戦後の名古屋で生まれ育った鈴木氏が影響を受けてきた映画作品や書籍の紹介とともに、スタジオジブリ誕生秘話などを知ることができる。
「鈴木敏夫の本棚」と題した空間には約8800冊の書籍が並ぶ。実際に手にして閲覧できるものもあり、鈴木氏の頭の中を覗いているような感覚を味わえる。無類の映画好きである鈴木氏が幼少期から見てきた映画作品のコレクションも展示されている。
また会場内には、大ヒット作『千と千尋の神隠し』に登場する大きさ約3mの「湯婆婆」と「銭婆」の恋愛・開運おみくじや『となりのトトロ』コーナーなど映画の世界を感じられる仕掛けが随所に散りばめられ、鈴木氏が書いたジブリ作品の名セリフを巨大オブジェにした「吊り文字」のフォトスポットも用意。関連企画では、美術館前の芝生スペースで巨大バルーンの設置(4月13日(土)・14日(日))などが計画されている。
主催は同神奈川展開催委員会。誘致は構成メンバーの(株)トライアングルの主導で実現した。人気コンテンツを活用した地域の魅力発信に挑戦。市内周遊を促すスタンプラリーなどを通じて地域経済の活性化につなげる考え。
会期は6月18日(火)まで。観覧料は一般2千円、中学生以下と横須賀市内在住・在学の高校生は無料。事前予約制。
問い合わせは横須賀市コールセンター【電話】046・822・4000
鈴木敏夫(すずき・としお)
愛知県名古屋市生まれ。スタジオジブリ・プロデューサー。慶応義塾大学文学部卒業後、徳間書店入社。「アニメージュ」の創刊に参加し、副編集長、編集長を務める傍ら、高畑勲・宮崎駿作品の製作に関わる。1985年にスタジオジブリの設立に参加。89年からスタジオジブリ専従。以後ほぼすべての劇場作品をプロデュースする。
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