「森戸の浜の盆踊り大会」で演奏をする「葉山盆楽団」の楽団長 渡邉 貴浩さん 葉山町一色在住 47歳
”生音”で一体感を
○…太陽の熱が残る砂浜。波音と潮風にゆられて、日が沈んだら演奏に合わせてさぁ踊ろう―。毎年地域の有志が手作りで行う「森戸の浜の盆踊り大会」。長年、盆踊りの演奏と唄をしてきた「盆バンド」から引継ぎ、昨年新たに「葉山盆楽団」を立ち上げた。メンバーは葉山や近郊に暮らす20人あまり。盆踊りのためだけに結成される楽団には一線で活躍するプロの音楽家など豪華な顔ぶれが揃う。
○…「砂浜で生演奏でやる盆踊り。日本広しと言えどここだけじゃないかな」。自身も盆バンド時代から参加し、祭りに魅せられた。これまでを振り返ると「もう最高ですよ」と顔をほころばせる。生演奏での盆踊りには録音された音源の場合にはない、独特の空気感がある。「コンサートと同じ。会場の雰囲気で演奏ができあがって、逆に演奏も会場を盛り上げる。そういう交差が場に一体感を生む」。自身にとって盆踊りは現代で言えばいわば”ダンスパーティー”。「盆踊りは誰もが参加できる。今の時代、そういう一体感はすごく大事」
○…太鼓や笛だけでなくギターやベースにトロンボーン。盆踊りには一見不釣合いにも見えるが、演奏は不思議と場の空気とよく馴染む。大切にするのは盆踊りの世界観。「先祖代々続く伝統的なお祭り。だからその空気は崩さないように」。レパートリーも炭坑節や花笠音頭など正統的な4曲を選んだ。「主役はあくまで踊る人。踊り終わった後に『楽しかった』『踊りやすかった』といってもらえるのが何よりのこと」。
○…「いつか葉山の風物詩に」。楽団を立ち上げる際、メンバーは若手の世代を中心に選んだ。それは「森戸の盆踊りをこの先ずっと続けていってほしい」という思いから。「葉山と言えば森戸の盆踊りと言われるように楽団もその下支えをしていきたい」。歴史はまだ幕開けたばかり。盆踊りとともに”名物楽団”目指し、今年も森戸の浜にその演奏を響かせる。
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