市民団体「逗子30’s(さんじゅうず)プロジェクト」の代表を務める 田中 美乃里さん 逗子市逗子在住 36歳
”同郷生”増やしたい
○…素朴な疑問が出発点だった。自らが携わる市民活動に集まるのはほとんどが年輩者。「どうして同世代が少ないんだろう」。働き盛りの世代が地元に腰をすえて活動するのは難しいに違いない。でも、逗子に関わりを持ちたい人は少なからずいるはず。ならばそんな若者たちの居場所を作ってはどうか。そこで2年前の夏、市民協働で立ち上げたのが逗子在住、在勤の30代でつくるコミュニティ「逗子30,sプロジェクト」だ。
○…現在所属するのは約60人。所属、とはいっても会規や会則は設けておらず、30代であれば誰もが参加でき、活動も地域の見守り活動やまちおこしのイベント企画など関心のあるものに自由に加わる「ゆるさ」が特徴のひとつ。「堅苦しさは抜きにして、友達を作るような感覚。友達なら間を置いても関係性は変わらないし、活動も無理なく続けられる」。自らも活動を通じて新しい友人や知人が増えたと感じている。まちを歩けば道のあちらこちらで顔見知りと会ったり、商店主から声をかけられたり。「まっすぐ商店街を歩けない感覚って面白いですよ」と朗らかな笑みを浮かべる。
○…かつて市を二分した池子米軍家族住宅の建設問題。反対運動や度重なる選挙など市の激動期を見て育ったからかもしれない。幼い時分から地域情勢に関心を抱いていた。「昼休み終りに選挙結果を見に行くような変な小学生でした」と笑う。20歳の時、友人と選挙の立候補予定者を対象に公開討論会を企画したこともある。「あれが市民活動にはまったきっかけですね」
○…30,sの目的は同級生のような同郷の仲間、いわば”同郷生”を作ること。高齢化が進む一方で近年逗子へと移住してくる若い世帯は多い。「子どもができたり親の介護があったり、メンバーは今後のライフステージが一緒に進んでいく。そういう仲間を増やしたい」。地域と若者との接点。2年前にまいた種は着実に根を広げている。
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