逗子・葉山版 掲載号:2014年11月21日号
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横須賀美術館で個展「私たちを夢みる夢」を開催している画家 小林 孝亘さん 逗子市小坪在住 54歳

見えない何かを形に

 ○…言葉の羅列を辿ってみても、思考の着地点が見当たらず、気が付けば不思議な浮遊感に捉われる。個展のタイトル「私たちを夢みる夢」から得る所感はその作風にもどこか通ずるものがある。虚無感漂うポートレイトや自身を投影した潜水艦。作品が生む静かな存在感は見る者を惹きつけてやまない。大規模な個展は実に10年ぶりだが「回顧展という意味合いではなく、初期から最新作までの緩やかな変化、そこから何かを感じ取ってもらえれば」

 ○…「何か」とは自身が画家としてこれまで向き合ってきたテーマでもある。美術大学を卒業後、本格的に画家としての活動をはじめ、36歳のとき平面作品で将来性ある優秀作品を選出する「VOCA展」で入賞。具象絵画に新風を吹き込む作家として注目を集めた。一貫するのは「見えない何かを形にする」こと。人生で感じる漠然とした不安や日頃ふと満たされる瞬間。そうした感覚を筆にのせ、形あるものに映し出す。「大江健三郎が世界との繋がりを文章と言ったように、僕にとって世界との繋がりは絵を描くことなんです」

 ○…今でこそ、日本を代表する現代画家の一人だが、下積み時代には苦労もあった。駆け出しの画家が絵だけで生計を立てられるはずもなく「水道や電気を止められるのはしょっちゅうだった」。アルバイトをしながら時間を切り詰めて創作に向き合う日々に荒れた時期もある。「初期にはタッチに荒々しさがあって作品にも心境が出てる。今は、段々柔らかくなってきたかな」と朗らかに笑う。

 ○…タイと日本を往復する生活から小坪に拠点を移して2年半。「ようやく落ち着いてきた」と生み出した最新作は物語性を感じさせる大作。今回の個展の見どころの一つでもある。イメージスケッチには「まだまだ描きたいことがたくさんある」と創作意欲は尽きない様子。「描きたい気持ちがある限りはそれを筆にのせていきますよ」

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