亀岡八幡宮副総代で毎年節分祭の司会を務めている 産形(うぶかた)長司(ちょうじ)さん 逗子市逗子在住 79歳
人との繋がりあってこそ
○…「逗子では『福は内』を2回、『鬼は外』を1回で豆をまくのが習わしで…」。多くの来場者が詰めかける中、境内に設置された特設台の上でマイクを握る姿はお馴染みの光景だ。節分祭を無事に終え、「今年も事故なく終えられて良かった」とほっと胸をなでおろす。「今年で80だからね。いつまで出来るか分からないけど、元気なうちはやり続けるよ」とほほ笑んだ。
○…「チョーさん」の愛称で慕われる。365日ほぼ毎朝、境内や周辺の歩道や車道を掃き清めるのが15年間続く日課。買い物がてら足を運んだり、世話人仲間で集まって事務作業をこなしたりと「毎日4、5時間はいる。家で過ごす時間よりも長いかも」と笑う。仲間からは「裏の総代」とも目される存在で、日々の掃除に始まり、初詣や「さいと(どんど)焼き」、節分と年明けからたて続く大きな行事の裏方を取り仕切る。「そりゃ大変ですけどね、関わっているからこそのやりがいはありますよ」
○…温厚な印象だが「すぐにカッとなるし、そそっかしい性格」とは自身談。世話人になったのは定年退職後間もなく。総代の口利きという世話人に誘われ、「行事が年6つくらいなら、大した手間にもなるまい」と二つ返事で引き受けたところ、後になってある”オチ”が判明した。「世話人でもう一人産形がいるんだけど、そっちと間違えられた。騙されたんだよ」と口を尖らす。ただ、こうも付け加えた。「騙されて良かった」と。
○…世話人になって16年。同じ仲間ができ、掃除をすれば声をかけられたり、手伝ってくれる人も。そうした人との繋がりは、かけがえのない財産になった。「家に込もっていたらこうはならなかった。仲間や出会った人がいるから続けられる」。一方、現在9人いる世話人の平均年齢は70を超えており、会の存続には新たな仲間集めが不可欠。「地域の役に立ちたいという人がいたら、ぜひ声をかけて」と呼びかけた。
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