葉山町長柄に今秋、新たな特別養護老人ホームが開設する。原則葉山町民しか入所できない地域密着型施設でベッド数は29床。町によると施設の完成は早ければ7月で、9月頃までの開所を見込む。高齢化に伴い、入所を望む特養待機者が後を絶たない中でその改善に期待が高まりそうだ。
施設名は「(仮称)葉山愛誠園」。葉山に拠点を置く「社会福祉法人愛誠会」が運営する。開設予定地は逗葉新道から長柄交差点に向かう県道311号線沿い。約1680平方メートルの敷地に鉄骨造3階建て、延べ床約1970平方メートルの施設を建設する。特養施設のほか、短期入所介護(デイサービス・20床)と通所介護(ショートステイ・20人)も手掛ける。
「地域密着型介護老人福祉施設」(特養)は2006年の介護保険法改正に伴って導入された制度のひとつで葉山町での開設は初。一般的な特養とは異なり、入所定員29人以下の小規模な施設で、入所は原則的に設置する自治体に居住する住民に限られる。利用できるのは要介護3〜5までの人で、施設では食事や入浴、排せつ介助など日常的な介護を行うほか、機能訓練や健康管理、療養上のサービスも提供する。
開設にあたっては、県と町の補助金を活用。施設整備に県が約1億2380万円、町が7350万円を予算に計上。開設準備経費については県が約1800万円を拠出する。当初、町は今年4月の開設を想定していたが、東京五輪開催などに伴う建設資材の高騰で工事入札が円滑に進まなかったため、見込み時期を遅らせていた。
待機者100人超
特養は介護保険が適用されるため他の介護施設よりも費用が安く、認知症や寝たきりの人でも受け入れることから入所希望者が多い。葉山町が2015年3月にまとめた「第6期高齢者福祉計画介護保険事業計画」(15〜17年度)によると、14年10月時点で特養に入所が可能な要介護3〜5の町民の待機者は109人にのぼった。ただ、うち約半数が入院していたり、自宅での生活を希望する傾向があるとして町は入所に急を要する待機者は50人程度と推計。現在町内にある2つの特養の待機者には町民以外の他市民が多数含まれることもあり、町は小規模ながら確実に町民が入所できる地域密着型の施設整備を決めた。
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