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逗子・葉山 人物風土記

公開日:2017.06.09

3年連続で「全国高等学校総合文化祭囲碁部門」(女子個人戦)への出場を決めた
早川 詩乃さん
逗子高校3年 17歳

3年間の努力ぶつけたい

 ○…都道府県を代表する高校生が棋力を競う全国高等学校総合文化祭囲碁部門。4月に行われた県大会で全勝優勝を収め、3年連続の出場を決めた。高校3年間、脇目も振らず囲碁に向き合ってきた、その集大成を飾る大会。昨年より底力をつけた自負もある。「普段の力を出せれば優勝も不可能じゃない。これまで頑張ってきた成果を出したい」。言葉をかみ締めながら静かな闘志をにじませる。

 ○…母の勧めで囲碁を始めたのは4歳のとき。家の中を走り回ったり、時には建物の屋根に上るようなわんぱくな幼少期だったが、碁盤の前に座ると不思議と大人しかった。「石をたくさん取れるのが嬉しかったのかな」。あどけない笑みを浮かべながら回想する。一方で勝負事については根っからの負けず嫌い。対局に敗れては大粒の涙を流し、中学のとき通っていた道場では誰よりも早く足を運び、朝から晩までがむしゃらに没頭した。「結果はついてこなかったけど、あのときの頑張りがあったから今があると思う」と振り返る。

 ○…大好きで真摯に打ち込んできたからこそ、挫折も味わってきた。昨冬挑んだプロ試験では、10数回の対局で勝ち星はわずか1。プロを目指していただけに将来の指針が思わず揺らいだ。自分が思い描く碁が打てなくなり、周囲にやめたいと弱音を吐いたことも度々ある。そんなとき、支えになったのは師匠、光永淳造6段の言葉。「プロになるのは諦めてもいい。でも今囲碁をやめたら、きっと後悔してしまうよ」。もう一度、向き合おう―。その都度、挫折を力に変えていった。

 ○…現在大学進学を控えた受験勉強の真っ只中。対局の機会も勉強の合間に限られるが、日常の中では常に碁盤を頭の中に描いている。勝負の世界では、努力がそのまま結果に結びつくとは限らない。将来への迷いもある。それでも「今は自分の囲碁を高めることだけに集中したい」。それだけははっきりしている。

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