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公開日:2020.08.07

葉桜自治会
町づくりの歩み1冊に
半世紀の歴史 次世代へ

  • 西村会長(左)と冊子を持つ結城さん

 逗子市と葉山町にまたがる「葉桜住宅地」の入居が始まって半世紀となり、葉桜自治会(西村肇会長)が歴史をまとめた冊子「葉桜住宅50年のあゆみ」を発行した。関係者は「歴史を次世代に伝え、これからのまちづくりに生かしていきたい」と話している。

 桜山丘陵の南側、標高およそ100mの尾根筋を造成した葉桜住宅地で最初の入居者が住み始めたのは1969年10月のこと。遠くに相模湾や江の島、富士山を望む風光明媚な場所だったが、目線を足元に落とせばそこはさながら荒野。バスの運行はおろか、街灯や商店もない場所で、買い物に行くにも一苦労する場所だった。

 約2千世帯が住む現在の環境を作り上げるために住民が集い、議論し、関係機関と調整を図りながら課題を一つずつ解決していく様子を、当時の写真や記録を交えて紹介している。

広報紙参考に

 同自治会では、制作にあたって昨年4月に編集委員会を発足。自治会結成当時から欠かすことなく発行されてきた広報紙「はざくら」を参考に歴史をまとめた。「モノクロ写真や、住民が日常を綴ったコラムなど、当時の様子を知るには第一級の資料でした」と話す西村会長。

 また、当時を知る住民たちにインタビューも実施した。編集長として制作に携わった結城瑛子さんは「資料に書かれていないことも、皆さん鮮明に覚えていた。当時は、仕事や子育てをしながらの自治会活動。大変だった分、強く印象に残っているのだと感じました」と語る。

 冊子の後半では、自治会の現状や抱える課題も盛り込んだ。ともに街づくりを担ってきた商店会も、今では商店が数店となってしまい、住民の高齢化とともに買い物や移動の問題が生まれている。また、若い世代の流入は喜ばしいことだが、自治会への加入率向上も今後取り組みべきテーマだ。西村会長は「この冊子をきっかけに、若い世代の方たちにも歴史を知ってもらい、今後の地域課題解決や連携強化を進めていきたい」と話している。

 冊子はカラー版64ページ。希望者に1冊300円で頒布している。問い合わせは同自治会事務局【電話】046・875・7805へ。

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