バッグブランドSYMPOSIONを立ち上げた 佐野 正子さん 葉山町在住
バッグの新たな選択肢創造
○…「マテリアルロス」をテーマにしたバッグブランド・SYMPOSION(シュンポシオン)をこのほど立ち上げた。大量生産・大量廃棄のビジネスモデルやそれがもたらす貧困・環境問題など、ファッション業界の慣習が問題視される中、「こんなバッグもあるよと、一つの選択肢になったら」と話す。
○…アパレル大手の会社にグラフィックデザイナーとして入社。その後、社内プロジェクトの一環で行われたバッグデザイナーの募集に手を挙げた。それまでの知見や持ち前のバイタリティーを発揮し、「アニエスベー」や「ラ・バガジェリー」など数多くのブランドのバッグを手掛けた。「自分がデザインしたものを持っている人を初めて見た時の喜びは、今でも忘れられない」。この時の体験がモノづくりへの情熱の源だ。
○…2007年にフリーランスとなり、自分らしい表現を探求していたところ、自分の原点である製作現場での「負の部分」が浮かんだ。「売れ残ったものが廃棄されるだけでなく、企画や製造段階で大量の素材が廃棄されたり倉庫に眠っている。その素材たちとの出会いを出発点にバッグを作りたい」。各地の素材メーカーや卸業者の倉庫を訪問。その量に驚くとともに「これだというものに出会えた時が嬉しい」。納得いくものを自ら選び抜き、それを生かすデザインで商品を作っている。
○…都内の百貨店で販売会を開催したり、葉山芸術祭に参加するなど、活動の場を広げている。「バッグは持ち運ぶ機能だけでなく、そのデザインで人の気持ちを高揚させるもの」。素材との出会いやサステナブルというストーリーを加え、今ある豊かさを見つめ直す他にはないブランドに育てていく。
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