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藤沢 人物風土記

公開日:2011.02.11

「藤沢動画」の運営を行う、NPO法人湘南市民メディアネットワークの代表
森 康祐(こうすけ)さん
綾瀬市在住 54歳

考えることで人は変わる



 ○…花火大会や市内ボランティア団体の活動、藤沢の日常を切り取った映像が次々と現れる動画サイト「藤沢動画」を運営する。昨年10月に開設し、総務省が主催した「わがまちCMコンテスト2010」の最優秀作品「江の島にうまれて」も、このサイトで見ることができる。きっかけは、自身が手がけた湘南映像祭。せっかく撮った映像も、なかなか地域の人に見てもらえない。それならと、サイト開設に携わった。



 ○…NPOの代表として、活動の中心にあるのは、映像と教育。村岡中学校の生徒が企画したドキュメンタリー撮影に協力したり、部活動紹介、いじめ防止の映像制作を手伝う。藤沢駅北口にある事務所にはスタッフだけでなく、学生や生徒、さまざま人間が出入りし、たまり場に。ただNPO自体は「儲からない」と笑う。



 ○…映画が好きで大学を卒業後、映像関係の仕事に就くつもりが、IT関連の企業へ。撮影技術や編集など、映像に関わることを本格的に学んだのは、40代、慶應大学が実施した市民ディレクター募集に参加してからだ。



 ○…仕事の都合で三重県伊勢市へ単身赴任。ここで映像のもつ力を実感する。行きつけの居酒屋の主人から「うちの子どもと映像を撮らないか」との誘いに乗り、2人のひきこもり少年と約4カ月、地域の映像を撮った。廃止が決まった高校夜間部、最後の文化祭での映像を上映した。



 ○…目を見て話せない、家から一歩も出ない子どもが撮影を通じて劇的に変わった。「引っ込み思案だった子が発表会の日、200人の来場者を前に話すのを見てびっくり。人は変わるんだと」。ビデオジャーナリズムの草分け、米のジョンアルバート・津野敬子夫妻らの市民メディア、DCTVが一つの目標だ。2人の子どもは自立し、夫人も働く。「独立してないのは俺だけかな」。

 

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