第29回神奈川工業技術開発大賞を受賞したダブル技研(株)の代表取締役を務める 和田 博さん 長後在住 63歳
ひらめきを技術に
○…部品の交換や多数のモーターを必要とせず、様々な形のものを掴めるロボットハンドを開発し、県内の企業の優れた技術や製品などに贈られる「神奈川工業技術開発大賞」に輝いた。産業分野だけでなく、福祉や災害救助、海洋探査などの分野への応用も期待される。「用途を限定せずに、ひとつのモーターで様々な状況に対応できるので、手間やコストを省ける機械。色々な現場で使ってもらえれば」と話す。
○…長後出身。大学では化学を学び、卒業後は橋梁関連の会社に就職。28歳の時に、父親が設立した前身の(有)和田製作所に入社した。「最初は本当に、手伝う程度だったんだけど」と笑うが、徐々に責任のある業務を任されていくうち、やりがいを感じるようになっていった。34歳の時に父の跡を継いで代表となってからは、仕事が中心の生活。「好きでやってるから苦にはならないかな」と話し、仕事を好きになってこそ良い結果を出せる、と信念を語る。
○…同社は工場のFA化(自動化・省力化)や福祉機器の開発・販売、研究機関との共同研究などを行う。前身から設立35周年を迎え、「新たな視点で社会の変化に対応していくことが大切」と語る。「目指すは『スマートで閃きのあるセンス』。固定観念にとらわれないことが大切」と話し、技術やアイデアの探求に余念がない。
○…「趣味というほどではないけど」としながら、「本はよく読む。自宅で単行本を、鞄には文庫本を常に用意している」という。山崎豊子著の社会派小説や経済小説、日経ベンチャーなどの経営情報誌などが中心だが、特別仕事のためという意識はない。趣味だから、仕事だからと決めつけず、「『川の流れのように』というか、自然の流れにぷかぷか乗っていきたい」という柔軟な発想で、楽しそうに今後の抱負を語った。
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