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(株)平山建築設計事務所 「藤沢今昔」が調和する街並みに 北口の新たなランドマーク「藤沢商工会館」
藤沢の新たな産業拠点や交流ゾーンの核として、2014年3月に完成予定の「藤沢商工会館(愛称・ミナパーク)」。設計を手掛けた(株)平山建築設計事務所の主宰・平山元英氏に新たな産業拠点への思い、湘南の街づくりについてインタビューを行った。
■設計を手掛けることになった経緯は?
■平山―これまで商工会議所や市に対して、地元の公共施設の設計・建設は、「東京や横浜の企業ではなく、地元企業に発注するべき」と言い続けてきました。『産業の地産地消』が大切だって。そしたら、地元の設計事務所によるプロポーザルで決めることになって。応募した5社から、うちの企画案が採択されたという感じです。
■どのようなプレゼンを?
■平山―新施設の前には、駅前ロータリーにつながる新たな道路ができるので、遊行通りが寂れてしまうのでは、という懸念があった。それを解決するために、遊行通りに抜ける動線を確保しようって強調しました。以前から、電子会議室の運営やバリアフリーマップの制作とか、街づくりに関わってきたから、商工会議所内部の思いも知っていました。だからこそ、思いを結ぶ企画案ができたかと。
■どんな建物になるのでしょうか?
■平山―かつて「藤沢宿」の街並みを作っていた古い石蔵をモチーフに、低層階の壁は石張り、3階以上は現代風のガラス張りに。もともと藤沢駅北口再整備計画に「レトロとモダンの融合」というフレーズがあったので。あと、石畳を敷いて、遊行寺のいろは坂を連想させようとかね。歴史とか云われを書いて、人の記憶に残る工夫が凝らせればと思います。訪れた人が「遊行寺に足を伸ばしてみよう」とか、「かつて藤沢宿があったんだ」とかね。
街並みに溶け込む建築が一番
■これまでで印象に残っている仕事はありますか?
■平山―30年以上前って、市内の設計事務所は、藤沢市から相手にされていなかった。それで、建築士だった私の父たちが『設計監理協会』を立ち上げて、「市内にもしっかり設計ができる事務所が何社もある」と市に働きかけたんです。そしたら、初めて学校の設計が受注できた。それが高谷小学校なんだけれど、たまたま事務所が渡内に移転して、うちの子どもたちが高谷小に通うようことになった(笑)自分が設計した学校に子どもたちが通うっていうのは印象的でしたね。
■設計に対するポリシーはありますか?
■平山―私は街並みに溶け込む建築が一番良いと思っています。だから、デザイン重視のひとりだけ目立つ建物は、良い建築だとは思わないし、必ずしも機能的で使いやすいとは限らない。私の場合、「使いやすくて、過ごしやすい」と喜んでくれることが一番嬉しい。常に施主さんの思いに寄り添うことを心掛けています。
■湘南の街づくりについてお聞かせ下さい。
■平山―ひとつの「湘南ブランド」として定着しているのが、青い空と海、白いデッキといった雑誌の表紙を飾るような建物だったりします。でも、そんな場所は数える位しか無いし、藤沢には海だけでなく里山もあって、必ずしも一律では無い。それなのに、勝手にイメージを持ち込んで、固定化されていることに、昔はかなり反発していました。長後市民センターを設計した時、デザイナーさんにモニュメントのモチーフをいくつか作ってもらったんですが、貝殻と海のモニュメントに、地元の皆さんが怒るんですよ。「長後には海は無い。あるのは梨とぶどう。昔なら養蚕だ」ってね。街づくりも一緒で、その地域や生活スタイルに合わせながら、景観に溶け込むプランを組み立てていくことが大切です。建築士の思いを押し付けたりせずに、みんなの満足感を得ながら最終的にまとめていきたい。街づくりも、設計の仕事も共通する思いがあります。
■今後の展望をお聞かせ下さい。
■平山―欲張って何かしたいということはありませんが、ずっと藤沢を軸足にした仕事で、湘南の街づくりに関わっていきたいですね。
㈱門倉組 (㈱平山建築設計事務所)
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