第39回世界スポーツチャンバラ選手権大会で2連覇を目指す 田村 勇樹さん 日本大学生物資源科学部 2年
「楽しい」が打ち込む力
○…空気を入れたソフト素材の剣や槍などを使い、自由に打ち合うスポーツチャンバラ。前回の世界選手権大会打突競技部門で初めてグランドチャンピオンに輝き、11月には大会史上初の2連覇を狙う。長剣や小太刀など、同部門10種目の各上位入賞選手がトーナメントで競い、最強の選手を決めるチャンピオン戦。「種目別優勝の経験は何度もあったが、あと一歩でチャンピオンに届かなかった。ずっと目指してきたので嬉しいし、次は新たな記録も狙う」と熱がこもる。
○…対戦のスタイルは守り重視。じっくりと間合いを詰めながら相手の攻撃をかわし、その隙にカウンターを叩きこむ。「道場ではずっと大人に交じって練習してきたけれど、打たれると案外痛い。まず攻撃を避けたいという気持ちが生んだ戦い方かも」と苦笑とともに振り返る。
○…横浜市で生まれ育つ。父親が競技の師範を務めていたこともあって、幼稚園の頃から親しみ約15年のキャリアを持つ。少年時代は「スポチャン漬け」で、練習や大会など、ほぼ毎日競技に打ち込んできた。中学と高校では卓球部の活動にも精を出し、スポチャンの練習時間は減ったものの、「積み重ねた練習量は、誰にも負けない」と胸を張る。力の源は「楽しんでやること。スポーツなんだから」と快活に語った。
○…日大では生命化学科に在籍。「化学の実験が好きで、自ずと選んだ。授業は大変だけど楽しい」と話す。またテニスサークルに所属し、スポチャンの練習と合わせ多忙な毎日。最近は合間に、韓国ドラマも楽しんでいる。「普通の日本の作品と違って新鮮」と「チャングムの誓い」をきっかけに興味を持ち、今は歴史ドラマ「イ・サン」がお気に入りとか。面白いと感じれば、様々な分野に積極的に飛び込みながらも「スポチャンは一生続けたいし、普及や振興にも携わっていきたい」と、言葉に力を込めた。