松葉酒を特産品に 慶応大・原さんら
松枯れを引き起こすマツノザイ線虫に強いクロマツ、その名も”スーパークロマツ”の植樹に励んでいる団体「湘南緑の連絡協議会」では現在、松葉酒づくりに取り組んでいる。
湘南地域では、昔から松による薪炭材や松葉で風呂を焚いたり、松林に自生するきのこ・松露(しょうろ)を食べるなど、松を使った生活が身近だった。クロマツは、藤沢市の木としても認定され、白砂青松の風景として親しまれてきたが、「海が見えるよう切ってほしい」との声や、線虫駆除の経費がかさむなど課題も多かった。
スーパークロマツをPR
そこで、慶応大博士課程の原悠樹さん(28)を中心に、海岸付近で緑化活動や美しい景観づくりに取り組む同協議会が目を付けたのは、線虫に強いスーパークロマツ。乾燥や潮にも強いほか、津波の減災の観点からも有効なため、2月に長久保公園や弁天橋など、4カ所に植樹を行った。また、「市民の手で特産品として活用したり、観光客の土産品としてもっとスーパークロマツをPRできないか」と考え、松葉酒づくりに着手。地元の酒屋からアドバイスを受け、現在は若葉をウォッカに漬けて醸成し、経過観察を行っている。エキスが出るまで約半年といわれ、現在は滋味深い松の香りが出てきているという。
まだ松葉の量が確保できず流通までは遠いが、「今後はメルシャンや湘南ビール、焼酎を作っている日大などとコラボして、スーパークロマツを使った松葉酒を定着させていけたら」と意気込む。
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